2011年3月5日-6日 上高地中仙丈沢・アイスクライミング
メンバー:中嶋、岡、羽賀、入道


1 はじめに
 私(入道)は、一昨年25年振りにクライミングを再開し、屏風岩雲稜ルート、甲斐駒 Aフランケ 赤蜘蛛ルート、明星山マニフェスト等を登攀した。昨年12月からは、年齢(昔なら天寿を全うしている歳)も考えず、新たにアイスクライミングに挑戦している。この2月に木村道成先生のアイスクライミング・リード講習会に参加し、下手ながら何とかリードが出来るようになった(?)ので、今回、会の仲間と上高地・アイスクライミングに行くことになった。
 このエリアの開拓者の一人である木村先生からは、2日間の日程だと、1日目は「ジョーズ」、「一角獣」、2日目に「Z」、「ハバネロ」を攻略すべしというアドバイスをいただいた。
 なお、上高地のアイスクライミングについては、ROCK&SNOW46号に紹介されているので参考にして欲しい。

(参考)日程
○3月4日(金)JR山科駅集合(車)→平湯(仮眠)
○3月5日(土)平湯(車)→釜トンネル→上高地霞沢岳中仙丈沢左岸アイスクラミングエリア→テント場
○3月6日(日)テント場→上高地霞沢岳中仙丈沢左岸アイスクラミングエリア→釜トンネル(車)→JR山科駅

2 装備
ダブルロープ(50m×2、60m×2)、ヘルメット、ハーネス、アイスバイル、アイス用アイゼン、スクリュー(1人5本)、ヌンチャク(1人5本)、スリング(1人60p×2、120p×2)、確保器・下降器(ルベルソ)、安全環付カラビナ、カラビラ、捨て縄等

3 アイスクライミング
(1)3月5日(土):晴
 大正池ホテル横の冬季用トイレ付近に到着すると、中千丈沢へ行く篠原達郎先生パーティが準備していた(この日は、私どもと篠原先生パーティのみ)。我々も準備を整え出発。中千丈沢は大正池ホテルから数分歩いて最初に現れる橋を流れる沢だ。この橋の脇から入り、しばらく中千丈沢本流を詰めると大岩に出る。往路は左のルンゼを登った後、本流への急斜面を降りる(復路は本流沿いに進み1回の懸垂下降)。その後、本流をしばらく遡って行くと、「ハバネロ」、「コメット」「ミルキーウェイ」、「Z」、「ミウラー」「一角獣」、「ジョーズ」と続く。雪は締まっておりワカンは不要だった。クライミングは、中嶋・岡組、羽賀・入道組に分かれて登った。

ア 中嶋・岡組
 「一角獣」に取り付く。1・2ピッチ目:岡さん、3ピッチ目:中嶋さんの順に登る。3ピッチ目はWの表示であるが、Wとは思えない困難なルートだ。流石!。中嶋さん見事なリードで登り切る。

イ 羽賀・入道組
 「ジョーズ」に取り付く。ROCK&SNOWでは、ジョーズアップはただのアプローチでロープは必要ないとあるが、安全のためロープを出し取り付き手前まで伸ばす(60mギリギリ)。最初、入道が「ジョーズ左」の真ん中を登る。いきなりのW+はきつく、 アップしておけばよかったと後悔するも後の祭り。何とか、アックステンション無しで登り切る。続いて、「ジョーズ右」の右部分を羽賀さんがリードするが、「ジョーズ左」と比べ氷の状態が悪い。微妙なバランスで突破。
 その後、余勢を駆って「ジョーズ左」の真ん中を入道が狙うも、2本面のスクリューを設置したところで力不足のため敗退。スクリューを回収し終了。
(2)3月6日(日):晴時々曇
 中嶋・岡組、羽賀・入道組とも「Z」を登る。
 1ピッチ(W+)は、入道、中嶋さんがそれぞれリードし、2ピッチ目(X)は、左の凹角を岡さんが、右の垂壁を羽賀さんがリードする。岡さんは見事に終了したが、垂壁に挑んだ羽賀さんは力強いムーブでリードするも、惜しいところで途中断念。続いて入道もチャレンジするも敢え無く敗退。恥ずかしいことに、スクリューの回収を中嶋・岡組に依頼する。続けて中嶋・岡組は、3ピッチ目(V)を中嶋さんがリードし、無事、今回のクライミングを終了した。

4 反省と感想
 アイスクライミングでのリードは、絶対に落ちてはいけない。しかし、私(入道)は、1日目の「ジョーズ」の3本目で、バイルが外れ落ちてしまった。反省点としては、@限界手前でアックステンションを取るべきだった、Aルートのオブザべをしっかり行い、時々腕を休め慎重に登るべきであった、B的確なアックスの打ち込みを行うべきであったことなどだ。今後も、初心を忘れず、日々研鑽に励みたい。
 しかし、今回は、中嶋さん、岡さん、羽賀さんの絶妙なクライミングを間近で見ることができ、大変、勉強になった。私(入道)にとっては、アイスクライミングの奥深さと面白さを再認識した有意義な山行であった。

 文章/入道