2011年8月6日〜10日 谷川岳クライミング
メンバー/大内・鎌倉(青穂クラブ)

今年の私のお盆休みは8月7〜14日と世間一般の盆休みよりも前寄せで、しかも今年は母の初盆になる為いわゆるお盆の期間は大人しく家に居なければならない。
又、中嶋家も初盆であったり会長も震災の影響で盆休みの目処が立たない等で異例の"夏合宿なし”と言う事になりました。
そこで休みの日程を”青穂”の鎌倉さんに合わせて頂き谷川岳へ行く事にしました。

<8月6日> 
22時 大内宅集合で大阪を出発 約650Km 9時間ほどかかって谷川岳に到着。

<8月7日>晴れ後曇り   烏帽子沢奥壁 南稜
ロングドライブでさすがに疲れたがそうも言っておれず、土合駅を少し過ぎた右手の慰霊碑のあるスペースに駐車し登攀装備だけで7時に歩き出す。途中の指導所に計画書を提出しいよいよ入山です。約1時間で一ノ倉沢出会いに到着、目前に広がる圧倒的な岩壁に暫し言葉をなくす。今年は雪渓が多く残っているらく崩壊が心配なので右岸を高巻き気味に進み、懸垂で雪渓に降り立ち、ロープを引っ張ったまま左岸へと乗り込みテールリッジへと向かった。テールリッジにいくつものFIXロープが張られておりそれらを頼りに登る。突き当たりを左へトラバースし南稜テラスに到着。登攀具を付けいよいよ登攀開始!  天気が心配な為、アタックザックを1つにしてスピードアップを図る事にしました。我々以外は隣のラインの2パーティーのみ。

1P目 大内
左上気味に一段上がり薄かぶりのチムニーへと入る
2P目 鎌倉
フェースを右に出て約25m
3P目 大内
草付のトランスポート区間
4P目 鎌倉(前半)大内(後半)
あまり覚えてない平々凡々?  雪渓の崩れる音が頻繁にひびく
5P目 鎌倉
高度感のあるリッジ。 ホールド豊富で楽しい  雷もゴロゴロひびきわたる
6P目 大内
このルートのハイライト!垂壁だが落ち着いていけば無問題
ロングドライブの疲れもあって私は頭がフラフラ・・・雨も心配なので稜線には抜けず同ルートを懸垂下降。その後、テールリッジと朝は高巻いた雪渓を慎重に歩いて出合いまで行き「お疲れ様!」。さらに林道を歩いて車に戻り風呂屋へ直行!風呂の後は土合駅の通路にテントを張りビールで乾杯! 夕食をとっていると昆虫採集の親子がウロウロ、ワイワイ、キャーキャー!・・・  夏休みです。そうそう、487段の地下ホームも見学に行ってきましたよ!ヒンヤリしていて少し寒いくらいでした。かつてはこの階段を”我先に!”と若者たちが駆け上がっていったそうです。

<8月8日> 晴れのち夕立  衝立岩正面壁 中央稜
5時起床、コーヒーをすすり辺りをウロウロ、今日も夏空が広がってええ感じ!お茶漬け食べてテント撤収。ゆっくりし過ぎてここまでで2時間くらいかかってしまったのでアプローチで時間短縮するために土合橋を越えて右の林道を車で進む。途中2箇所ほどワダチの深いところがあったがなんとか切り抜けてマチガ沢まで入れた。広場に駐車し登攀装備をひっ掴んで一ノ倉沢へ。出合いで昨日のパーティーが落としたとみられるトポ図のコピーを観光の老夫婦が見つけたらしく声をかけてきた。ゴミになってもあかんと思いそれをもらってポケットにねじこむ。 今日は雪渓通しでテールリッジまで進む、雪渓の状態は昨日とあまり変わらない。テールリッジを突き当たったところが取付です。
1P目  大内
快適なフェースクライミング
2P目  鎌倉
泥の無いルンゼ 35mくらい伸ばしてピッチをきった
3P目  大内 
左の方へ回り込んで登る。(あまり記憶ないです)
4P目  大内 
核心部 出だしをテープアブミで越え、抜け口もかぶり気味のチムニーでやらしい 立ち木ビレイ
5P目  鎌倉
ザイルの流れを考えて8mほどのばして立ち木でビレイ
6P目  大内
出だしは藪、それを抜けると快適なリッジ
7P目  鎌倉
ルンゼ状 終了点のピナクルが覗きになっていて眺めが良い!
8P目  大内
快適なフェース 終了点のレッジに腰掛けて小休止
9P目  鎌倉
簡単なフェース 約15m
10P目  大内
簡単なリッジ?あまり覚えてません 40m程のばした
11P目  鎌倉
V級程度 50mギリギリ伸ばす 修了点は結構広い
12P目  大内
最終ピッチ 右へ回り込んで浮石の多いU〜V級のフェースを50mで終了 終了点はリング1本のみ

懸垂ポイントを探しに行くが「衝立の頭」がよく分らず右へ左へ?右へもう一度行って懸垂ポイントを発見!3回の空中懸垂を含む懸垂を6回でコップスラブ上部へ出るが地形がよく分らない。略奪点ってどこ?って感じでかなり時間を喰ってしまった。 途中夕立でズブ濡れになったり、登りの4P目でもかなり時間がかかったので気がつくと5時をまわってました。ここで役に立ったのが出合いでなんとなく拾ったトポ図のコピー!下降の解説が詳しく載っていたのでそれを読みながら小尾根を越えて沢を下る。このトポ図が無かったら多分わからなかったと思う・・・。
しかし、最後の滝20mを懸垂した時点で7時、辺りは暗くなってきたのでビバークを決め、沢筋から離れた安定した場所をさがす。 草を刈り、岩を動かし、ザイルを敷いて寝床をつくり、行動食を頬張ってツェルトをかぶりブルブル震えながらもウトウトし、夜明けを待つ。一晩中、虫刺されに悩まされ今も痕が残ってます。
<8月9日>  晴れ
4時ごろ空が白みはじめる。腹ごしらえをして、動けるくらいの明るさになるのを待って下山を再開する。本谷の雪渓は目と鼻の先!ビバーグとはいつもこんなもんでエエとこまで来ててあとちょっとが足りないことが多いです。トポによると「高度感のある草付きのスラブをトラバースしてひょんぐりの滝巻き道の入り口下へ出る」とあるが雪渓を下るほうが早いので、雪渓に乗り移りシュルンドに注意しながら慎重に下る。昨日の夕立で出来たのであろう”ドデカイ”穴を目の当たりにしてさらに慎重に歩を進める。雪渓を無事に通過し、車まで戻り昨夜のメニューのカレーうどんを食べる。本日予定の中央ルンゼは中止して昨日の風呂屋で汗を流し、谷川観光をし、 名物?「谷川ラーメン」(これが野菜たっぷり!具もたっぷり!で実に旨い!!)を食べてまたもや650kmの帰路についたのでした。

〜メモ〜
*計画書は日山協加入の場合当日の提出で可(代表者の印必要)
*ヤブ漕ぎが多いので軍手・長袖 必須!
*車なら温泉、スーパーマーケットもすぐなのでとても便利!

 文章/大内