春合宿:劔 北方稜線縦走

(馬場島〜ブナクラ谷〜大窓〜三の窓〜本峰〜早月尾根〜馬場島)

日付:2012/05/032012/05/06

メンバ−:大内(L)、中嶋、森田、新谷、田中、松原、椿尾

 

5/2(火)PM10:00

新大阪 せんなり瓢箪前集合。

本来の予定は、23:27JR北国に乗って富山へ向かう予定であったが、なんとこの北国、自由席の販売が無くグリーン車かB寝台のみの販売とのこと。

山屋たるものグリーンに乗る事などもってのほか、レンタカーと大内さんの車で馬場島へ向かう。去年は馬場島から早月尾根を登り、雷と暴風に耐えながら本峰へ行った事を思い出しながら馬場島着。高速はGWの影響か渋滞しており、馬場島着は大阪から約8時間後の6:00だった。

 

5/3(水)

到着後、県警からの情報によると、ブナクラ谷へ行く手前の白萩川の橋が崩壊しているとの事。この橋を渡らないとブナクラへ行けない。徒渉出来るかもしれないのでとりあえず出発する。天候は、曇り。前日の予報によると本日は雨とのこと。06:45

07:30 白萩側取水口へ到着。確かに橋は崩壊していた。渡れそうな所を探すが、水量が多くまた流れも強く、徒渉もできない。もしここを渡れたとしてももう一回、徒渉しなければならない箇所があるとの事。

 

結果、ブナクラ谷を断念し赤谷尾根から稜線へ抜ける事にする。

 

8:00 1000m付近)赤谷尾根取り付き着。この時は赤谷尾根がどんなルートなのかもわかっておらず、初めての場所でもあり気持ちも高揚していた。

取り付きはまず薮こぎから始まる。急な登りを木の根を掴み、ピッケルを使いはい上がって行く。気温は高く、汗で一気に服がビショビショになる。

10:40 (1500m) 急な斜面の薮こぎが続いている。この辺りになると岩と雪渓が出てくる。薮こぎと雪渓のMix登山状態。こんな登山初めて・・・。

天候は予報に反して、晴れ間も出てくる。前日の天気図からはあり得ない不思議な天気だった。

 

11:40 (1620m) 広いピークに出る。天気が良いので、本来行く予定だったブナクラ谷がよく見える。反対側は小窓尾根、早月尾根がよく見えた。小窓尾根は誰も入ってなさそうだった。

下の方から少し雲が上がってきているのが気になる。

 

 

 

12:45(1800m) ようやく薮こぎから抜け出し雪渓を登る。

 

13:30 (2000m) 広い雪面にでる。ここでテントを張り、本日の行動は終了。

テントは6天と2天の二張りとなった。

本日の夕食は、田中さん担当で赤飯とボリューム満点のみそ汁。

夕方頃には雨が降り出す。ラジオで明日の天候を確認した所、雨または降雪があるとのこと。とりあえず明日は3:00起床で様子を伺うことになった。

20:00頃就寝。

 

5/4()

3:00 起床

外はまだ暗いので状況はわからない。分かっている事は雨が降っている事。

朝ご飯は松原君担当で棒ラーメン。味はいつもと変わらないマルタイの味でした。明るくなってきた頃、外を見ると視界約30mといったところか。雨も降っている。気温は高め。今の状態だと行けそうな感じなので突っ込みたくなる気持ちは高い。天気予報を聞くとこれから荒れてくるとの事。大内さん(リーダー)の判断で本日は停滞するとの事。そうと決まれば、することはシュラフを敷いて寝るのみ。とりあえず昼まで寝て、グダグダと一日を過ごす。

ラジオで天気予報を確認。明日は、天気は回復するとの事。但し、明後日は再び低気圧が発達し高所は大荒れになるとの事。結果明日赤谷山頂へ行き、薮こぎして登ってきた赤谷尾根から下山することになる。非情に残念な結果だが、天気には勝てないし、無理な行動は悲惨な結果を招く事もある。

晩ご飯は、松原君担当で親子丼と豚汁のボリューム満点ご飯。

20:00頃就寝。寝過ぎと疲れていないため、時折目が覚める。

 

5/5()

5:00起床

朝ご飯は田中さん担当でシーフードラーメン。田中さんの準備する山飯は勉強になった。

天気は雲っているが雨は止んでいる。風もなし。気温は少し肌寒い。

6:40 支度を整えて赤谷山頂へ出発する。

 

 

赤谷山頂までの道のりは細いリッジを抜け、草付きをピッケルを噛まして登り、岩稜を登り、急峻な雪稜を登ると言った行程は約1時間程だったが実に内容のある登りだった。雪が多い時はただただ雪稜を登るだけになるとの事。

 

7:40  2258m山頂着。皆と握手を交わし写真を撮ってすぐに下山する。

下山は急峻な雪稜なこともあり時折、バック&ステップで下る。

岩稜の箇所で椿尾が下っている所で上から落石発生。すぐさま上部に居た松原君が「ラーック!」のコール。上を見上げると約70〜80a四方の岩が落ちてきた。体に直撃。下へ持って行かれ滑落しそうになったが自分の下に居た大内さんが岩と自分を止めてくれた。幸い顔に傷を負った程度ですんだ。

落石を受けるときってこんな感じなんだと良い経験になった。二度と経験はしたくないが。

 

テン場へ戻り、テントを撤収し9:20下山開始。

安全の為、登攀用具、アイゼンを付けて下山する。この二日間で気温も高かった為雪の量が減っている。踏み抜きに十分注意しながら下っているにも関わらず踏み抜いてしまった。踏み抜いた際にアイゼンがズボンに引っかかり破れる始末・・・。

下山途中、自分の後ろに居た松原君がトラバース中に足を滑らせ滑落。

松原君の後ろを歩いていた大内さんが、滑落者目指してダイビングジャンプし彼を抱え込み滑落を止めた。自分は驚いて滑落している松原君をただ見ているだけしか出来なかった。これが経験の差、責任感の差だと思う。

その後は、特に問題なく尾根取り付きまで下山。12:20

 

取り付きから馬場島まで山菜を採りながら帰る。空を見るととてもよい天気で劔の本峰も顔を出していた。

 

 

13:30 馬場島荘着。レストランで打ち上げをし、大内、新谷、松原組は帰阪。

森田、中嶋、田中、椿尾は一泊して帰る事になった。

 

 

5/6 13:00 新大阪着。春合宿終了となった。

 

 

 

 

感想:今回の春合宿、天気に非情に悩まされた山行となった。雨が降ると思いきや晴れていたり、雨とガスで停滞したり、次の日は晴れで、その次は荒れる予報で、天候に遊ばれた感じだった。予定通り行かないのが登山。予定通りいけばラッキー!くらいの気持ちじゃないとだめなのかなと思った。

今回のGW、沢山の方が山でお亡くなりになられた。山の上では生きるか死ぬかの紙一重だと思う。高所になるほど油断してはいけない。再度心を引き締め今後の山人生を歩みたい。

 

写真 赤谷山山頂 その1

写真 赤谷山山頂 その2