2013/8/4  櫛田川水系・蓮川ヌタハラ谷  真嶋L・迫間・小林・小澤

 

21時に上本町を出発して、蓮ダムに到着したのが23時すぎ。

どうも台高は遠くて時間がかかるイメージだったが、北部のエリアは思ったより近くて嬉しい誤算。

ダム管理棟前にある奥香肌峡の観光案内看板の前にテントを張り、軽く宴会をして就寝。

5
時起床、テントを撤収し朝食後にヌタハラ谷の入渓地点の駐車地を目指して車を走らせる。道は途中でダートに変わる。

途中、行き過ぎたかと引き返したりして時間をロスする。

駐車予定地の少し手前に車が1台あり、どうやら先行パーティーがいるらしい。その先、林道のヘアピンカーブ奥に車を停める。

身支度を整えて7時に左岸の明瞭な杣道に入る。振り返ると駐車地に車が1台やってきた、後続パーティーのよう。

ゴルジュが終わって沢が開けた地点で入渓。迫間と小林に先行してもらい、自分は最後尾で遡行開始。

谷は深く時間も早いので明るくはないが、さすがに台高の沢だけあって水の透明度は素晴らしい。小滝やナメ滝を軽快に越えて行く。

6512mと滝が連続する箇所、6m滝は左側のガリーに入りアッサリと通過、5m滝は直上、美しい12m滝は左岸の斜面を登る。(写真112m滝)

 

 

連瀑と小さなゴルジュやナメ滝が次々に現れる。倒木が散乱していて、少し荒れ気味になってくる。

3100mの夫婦滝の手前で、左岸の植林帯が大規模に崩れて谷を埋めていた。そのガレ場を越えると目の前に夫婦滝が現れた、8時。下からは滝の全体は見えない。

この夫婦滝の直登は不可能なので左岸を高巻くことになる。左岸に入る大きなルンゼを20mほど登ってから、左上気味に急斜面を高巻いて行く。

木の根の露出が多いので、つかみながら楽に高度を稼げる。河原では後続の3人パーティーが私たちを見上げている。

登るにつれ踏み跡も出てきて、9時に最上段の落ち口に躍り出た。まあまあのペースに一安心。

高巻きはもっと悪いかと思っていただけに易しく感じた。

ロープは不要。慣れない小澤にとっては緊張の連続だったようだが、これは経験を積めば解決できると思う。(写真2・高巻きの途中から見える夫婦滝)

 



夫婦滝を過ぎてからも滝とナメが次々に現れる。そのほとんどが直登できるので楽しい。

後続パーティーは引き返したのか、いっこうに追い付いて来ない。1時間ほどで250mの不動滝に到着。

水量こそ少なめだが漆黒の岩場に落ちてくる飛沫が美しい。マイナスイオンを浴びながらの最高に贅沢な休憩をとる(写真3・不動滝)

 



不動滝も夫婦滝と同じように左岸を高巻く。ルンゼを登って行くと非常に顕著な踏み跡に当たった。

まるで登山道のような道をたどると簡単に滝の落ち口に導かれてしまった。気が抜けるように容易な高巻きだった。

その後、いくつかナメをたどり、コウセ滝を左側から超え、1115分にネコ滝に到着。

240mというガイドもあるが、30mぐらいか。約1名、滝に打たれて心身を清め中()(写真4・修行中)



いよいよ最後の大滝、アザミ滝・30m。かなり水量は少ないが直登は難しそう。右岸の壁づたいに滝のすぐ左を木を掴みながら登る。

アザミ滝の上には小さな深い釜を従えた、洗濯板を立て掛けたような5m程のスラブ状の滝。

小林が果敢に直登を試みるが、半分も登らないうちにズルズルと滑り落ちて釜にドボン() 結局これが最後の顕著な滝となった。

いよいよ水量は少なくなる。右手を見上げると青々とした美しい草原の稜線が見えている。

遡行を打ちきり稜線に上がりたい気持ちを抑え、わずかになった流れを忠実に遡る。

ついに流れが無くなり湿地状になると同時に目の前に明るい草原が開ける。ちょうどお昼12時、入渓からジャスト5時間。

鹿の群れが足早に目の前を去っていく。あまりにも美しい風景にしばし見とれてしまう。(写真5・草原を行く)



しばらく斜面を適当に登って行くと登山道らしき踏み跡に辿り着く。

地形図とトポから見て、桧塚奥峰(三重県内最高峰・1420)から明神平方向に少し下った地点らしい。

ここで沢装備を解除して休憩。心配していたヒルは結局1匹も見なかった。(写真6・桧塚奥峰)



桧塚奥峰で展望を楽しんだ後は、適度にテープのある登山道で桧塚へ。

このあたりは、ブナの原生林が広がり本当に美しい。テープに導かれるように下り、小さな看板のある1214m地点へ。

ここからは過剰なほどの数の黄色いテープで全く迷うことなく尾根を下る。

下山途中で3人組を追い越す。沢中で1泊したらしい。1345分にヌタハラ林道の終点に到着。(写真7・ブナの原生林)



あとはダラダラと長い林道をひたすら下り、14時半に車を停めた場所に到着。

ホテル・スメール(日帰り入浴は受付17時まで・700)で汗を流し帰路に着く。

雑感:
夫婦滝と不動滝は大きく高巻くのですが、それ以外は楽しく好きに登れます。ヤブ漕ぎやガレ場のないフィナーレの美しい草原は感動モノ!このために行く価値あります(^^)

 

文・写真/真嶋