2013年 夏合宿報告書

 

811日 曇り

8:45馬場島発−13:40小窓尾根1600m−16:00富高岩小屋

 

森田会長と2人で入山。6人用テント一式を一人で担いでいるのでザックが重い。27sくらいかな。

前日パッキングした時に余りに重いので、シュラフとアタックザックを家に置いてきた。

小窓尾根の登りは蒸し暑いし、とてもつらい。

森田会長も膝の調子が悪く、しんどそうだ。池ノ谷二股でテントを張る予定だったが、そこまで行く元気もなく雪渓が出てくる直前の岩小屋でビバークとなる。

軽量化のため米+レトルトカレーの簡素な夕食を終えて就寝するが、シュラカバだけでは寒くて目が覚める。持っている服を全部着込んでも寒かった。

 

 

 

812日 晴れのちガス

 

二股でテント設営後チンネの予定で出発するが、二股に着いてもテントを張れそうな場所はどこにもない。

森田会長によると、今年は予想外に雪が多くて埋まっているらしい。仕方なく雪渓の末端まで戻ってテントを張る。

設営後に偵察をかねて池ノ谷左俣を登る。

R10から剣尾根下半には取り付けそう。R2は雪渓が残っており、一部雪渓が切れている。剣尾根のコルBから池ノ谷左俣に下るのは大変そうだ。

 

 

池ノ谷左俣もあちらこちらで雪渓が切れており、一度雪渓から降りて小窓尾根側のガレ場を通る必要があった。

今日から松田さん入山される。鶏肉と野菜を荷揚げされ、とても美味しい夕食を作ってくださった。

 

 

 

813日 晴れ

5:20テント発−7:4510取りつき−8:20コルE−11:0011:45コルCで順番待ち−15:00ドーム−17:50長次郎ノ頭−19:20三ノ窓−22:00テン場着

森田会長、松田さん、私の3人で剣尾根全縦走(R2の雪渓が切れているため、長次郎ノ頭まで抜けるしかない)の予定で出発する。

歩き出してすぐに森田会長が膝の不調のため、松田さんと2人で行くことになる。

ルート経験者の森田会長がいなくなりかなり不安。大丈夫かなぁ。

 

コルEまでは問題ないが、剣尾根に入ると急斜面のハイマツのやぶ漕ぎ。どちら側の谷も切れていて、落ちたら止まらないだろう。

でもここでザイルを出していると、時間的に今日中にとても帰れないので、所々怖いところもノーザイルで突っ込む。

途中に出てきた垂壁は松田さんのリードで登る。コルCに着くと先行パーティが門の登攀準備していた。

森田会長や松田さんとお知り合いの方のようだ。

しばらく待って、先行パーティのセカンドが登りだしてから私のトップで登攀開始。

トラバース部分の垂壁が難しくA0の連続で抜ける。腕が疲れて落ちそうになる。トラバース後、リッジを回り込んだあとは簡単。

しばらくコンテで進んだあと、2ピッチ目は松田さんがリード。出だしでA0した後はフリーで登ることができた。

 

 

 

3ピッチ目は簡単で、コンテでガレたルンゼを登るだけだった。

これで核心部の門の登攀は終わり、しばらく登るとドームの頂上に着いた。

先行パーティからコルBから上半だけを登ったパーティもいると聞き、時間も遅いし(15:00頃)、R2からエスケープしてもいいかなって気分になってくる。

森田会長と無線交信し、コルBから降りる予定であることを伝える。

しかしドームからコルBに下ると、R2はボロボロのルンゼで簡単に降りられそうな気がしない。遅くなるが長次郎ノ頭まで行くことにした。

コルBからは3ピッチザイルを出す。門に比べると易しい。

 

 

 

ここから長次郎ノ頭までは疲れもありつらかったが、なんとか日没直前に長次郎ノ頭に着くことができた。長次郎ノ頭からの眺望は素晴らしかった。

三ノ窓で完全に真っ暗になり、ヘッドランプに頼って池ノ谷左俣の雪渓をくだる。

 

 

 

昨日の偵察がとても役に立ち、ヘトヘトになりながらも所々切れた池ノ谷左股の雪渓を迷わず降りることが出来た。

テントについたのは夜10時だったが、小林さんと迫間さんが夕食の煮込みラーメンを作ってくれていた。

寝ておられたのを起こしてしまい、すみません。

16時間半行動でとても疲れたが、剣尾根上半と下半を一度に登ることが出来て、とても充実した一日だった。

 

 

813日 晴れ

チンネに向かう森田会長、小林さん、迫間さんを見送ったあと、松田さんと馬場島まで下山した。

 

文章/新谷