2014年春合宿 穂高連峰

参 加者 森田、大内、椿尾、大内()、 森本

 

計画201453()6()

3日  上高地〜涸沢

4日  涸沢〜白出コル〜北穂(大内、椿尾、涼)、 涸沢〜北穂南陵〜北穂(森田、森本)

5日  北穂〜大キレット〜槍の肩(大内、椿尾、涼)、 北穂東稜(森田、森本)

6日  槍ヶ岳往復〜横尾(大内、椿尾、涼)、 北穂南陵〜涸沢〜横尾(森田、森本)

    横尾で合流後〜上高地〜帰阪

 

結果201453()4()

3日  上高地〜涸沢

4日  涸沢〜北穂南陵〜北穂〜涸沢〜上高地〜帰阪

 

今 回は新入会員がいたので、行動を二手に別れる計画を立てた。

 

53()  晴れ

午 前450分、アカンダナ駐車場発の始 発のバスに乗り上高地へ。

朝 食やコーヒーをいただき、6時頃出発。明神、徳沢、横尾、とコースタイムよりやや早いピッチで 進む。

横 尾までの登山道は残雪なし。早朝はひんやりしていて肌寒かったが歩くうちに天気がいいことも手伝って暑くなる。

横 尾から本谷橋までも雪は少ない。スパッツ、雨具のズボンは不要。本谷橋から涸沢までの道が長い。修行だ。

前 穂高の北尾根の峰を見ながら進み具合を確認する。

12時に涸沢着。4人用テントと2人 用テントを設営し、4人用テントで宴会を始める。

 

お 酒が2本目に入って宴もたけなわになってきたところで、ぐら〜っと体が揺れた。

「!」

顔 を見合わせ「地震?地震やな。」えらく揺れた。

う わ、どないしょう?でもこれっきり、やんな?と思っていたがここから半時間くらい強弱つけながら揺れる、揺れる、揺れた!

ひ え〜、こんなに地震って続くもんなの?どっかで地面割れてるんじゃないの?

上 高地までのバス、通行止めとかなってるんちゃうの?等々みなで言い合うがラジオも入らないし携帯もうまく入らないので情報が分からない。

一 度、が、が、がっと縦揺れもあった。これにはほんとに焦った。

 

ト イレに行った時に小屋のアルバイトの女性に聞くと、午前中に震度3の揺れがあり、その後も揺れが続いているとのことだった。歩いていて揺れには気がつ かなかったのだろう。

テ ントへ戻り、入ろうとして何気なく北穂南陵方向とザイテンを見て気がついた。雪崩れてる...。 だら〜っと雪が流れた跡が四方八方に。

テ ントに入って報告すると「ひえ〜!」といつものポーズを取ってさすがの会長も驚いていた。

 

翌 日からの行動について話し合う。5日の天気は崩れて最悪。しかも5日 は今回の計画の核心日。

天 気が悪いという予報に揺れがあまりにも続き気持ち悪いので、やはり翌日速攻下山しよう、ということになった。

と ころが、15分後、「うぅん、落ちるものは落ちたし明日の天気は悪くないはずなので、やはりこ こはちょっと速攻下山はどうかと。なので、明日考えよう。」という会長の言葉に落ち着いた。

そ して17時過ぎくらいだったか。また大きい揺れが来た。慌てて会長、「やはり明日は朝いちで下 りましょう。」全員同意。

 

54()  晴れ

5時 起床なのに4時頃会長が、テントの外から

「も しもし。あの〜、モノは相談なんですがね。まぁ、これがええ天気なんですわ。なので、ですね、せっかくなので、新人もいることですし北穂の往復だけで も空身でして帰りませんか?」

と テントの外から呼びかけが。5時半出発を目指して4テ ンチーム、起床。

 

日 が昇ってすっかり明るくなった南陵を登り出す。途中、県警の山岳警備隊にヘルメットを着用した方がいいですよ、と言われ一度テントに取りに帰る。

「そ の格好では無理ですよ。」と言われたにもかかわらず登っていた登山者もいた。

し かし。雪崩の跡などなんのその。頂上目指して登る登山者の多いこと。北穂へ向かって、奥穂へ 向かって登る、登る、登る登山者。

 

天 気は最高。私は時間がかかりすぎたが北穂へ到着。北穂小屋の前から行くはずだった大キレットを見下ろす。

雪 が残った南岳小屋への道はなんだか夏のそれより長いように感じた。見える限りトレースはなかった。

 

南 陵の下の方で雪上訓練をせっかくなのでやっておこう、ということになったものの途中でちょっと人助けをすることになった会長と一旦別れて、再合流ポイ ントまで4人は先に下りる。

合 流ポイントでが休憩していると、また、が、が、と揺れた。

雪 上訓練未体験の新人会員の森本さんを残し、撤収準備をすべく大キレチーム3人は先にテントへ 戻った。

 

会 長の人助けが案外時間がかかってしまい、上高地発の最終バスに間に合うかちょっと不安だったが下山開始(11:00)

ま ずは横尾を目指す。次に徳沢のソフトクリームを目指し、次に明神での葡萄ジュースを目指し、心を無にして歩いた。

16時 半前に上高地に到着したが人数オーバーで30分発のバスに乗れず、17時 発のバスに乗りアカンダナ駐車場へ戻った。

芋 の子を洗う状態の「平湯の森」で汗を流して帰阪した。大阪に戻ったのは日が変わった12時過ぎ だった。

 

雪 のある大キレットを越えることができなかったので残念だが、久しぶりに天気のよい春が祝で、北穂の頂上から景色を楽しめたのはよかった。


文章/大内涼子


春合宿に参加して今回、初めてアルデの合宿に参加させ て頂きました。

夏 山の一般的なルートであれば、穂高には登ったことがありますが、春山で周囲は雪ばかりと聞いて出発前は不安で仕方なかったです。

何 が必要なのかも分からない中、参加メンバーには合宿前の練習から、必要な物の買い出しまで手伝って頂きました。

合 宿本番は、アクシデントにより予定コースを断念しましたが、私にとっては、春山に登ったというだけで色々と勉強になりました。

移 動中の行動食の取り方から、テント場についてまずすること、そして雪の上で寝るということ・・・。

正 直なところ、合宿を体験するまで行動計画書に昼食がないこと、登山なのにスコップが必要なこと等「???」の状態でした。

何 よりも今回は、春山での一連の行動方法、手順、やって良い事・悪いこと等、参加することによって一連の流れを理解できました。

 

地 震発生は残念ですが、危険と思われると先に行きたいのを我慢し、下山する判断を行うこと等、勉強になることが多かったです。

合 宿が終わってやっと雪の無い山にアイゼンとピッケル・手袋を持って練習に行った意味が良く理解出来ました。

森 田さんに怒られ、大内さんに注意され、涼さんに呆れられ、椿尾さん慰められた合宿でしたが、また行きたいと思える合宿でした。次は、必ずビニール袋を 持って行きます。


文 章/森本


横尾はすっかり春を過ぎて夏のよう

涸沢に到着


南陵の雪崩れ跡


4日朝 いい天気

 


北穂への登り


登る途中、注意点などを話す

会長と新人さん


お馴染みの前穂北尾根


北穂頂上から 双六、三俣蓮華方向


上高地まで下山しました。岳沢方向を見て。