山行記録: H26年冬合宿 剣岳早月尾根

山行期間: H26年12月27日〜30日

メンバー: 大内、大内()、檜垣、深美、松村、渡辺

 

12月27日(土) 晴 大阪〜馬場島

朝6時45分に、JR大阪駅11番ホームに集合、7時09分発のサンダーバードで富山駅10時着。

富山地方鉄道に乗り換えて上市11時着。前日に予約した上市交通のジャンボタクシーで伊折12時着。

冬季ゲートの1時間程手前までしか除雪できておらず3時間ほどかけて馬場島に到着。

春山並みのいい天気で、今日がアタック日ならいいのになぁと思った。

県警の派出所で届け出をし「ヤマタン」を受け取る。その間に他のメンバーはテント設営。

入山しているのは日大パーティーと一般登山者数名、それと我々と同時に入山してきた「かもの会」と言うパーティーだ。

馬場島荘、早月小屋共に開いていてビールも買えるしトイレも小屋のものを使って下さい、とのことなのでとても助かる。

馬場島荘には今年も旧知の顔が居た。テント設営後、ビールを買ってきて入山祝い。

各自の酒も出し合って楽しくやる。馬場島なのでそれほど寒くない。明日は4時起きなので8時就寝。

 

12月28日(日) 晴のち吹雪 馬場島〜早月小屋

4時に起床、6時20分にヘッドランプを灯けて出発、我々に少し遅れて「かもの会」も出発。

今日もまずまずの天気。前日のトレースが残っていて道迷いの心配が無いので1時間程してから足の速い檜垣、深美にトップを任せ、大内、松村、渡辺、涼の順で行く。

次第に松村、渡辺が遅れだす。渡辺の荷物をトップ二人に少し持たせるが、ペースは上がらない。

深雪にとられて足を痛めてしまった松村が9時30分頃、足がつって歩けなくなったので、涼にサポートしてもらい馬場島まで下らせる。

松村担当の6テン本体を、荷物用の2テンと交換して残りの4人で早月小屋を目指すことにしたがその間に「かもの会」に先行を許してしまう。

途中、下って来た県警の方に事情を伝え必要ならば下山している二人のサポートをしてもらうようにお願いした。

要所々々に下山に備えた赤布を立てながら登ること9時間、3時30分にようやく早月小屋到着。

トップの二人は一足先に着いてテン場の整地をしている。風が出始めて凍えながらのテント設営。

竹ペグもしっかり埋め込み風対策をする。

設営後は今日もやっぱりビール!こんな冬山でビールが買えるなんてなんともありがたい!4人で乾杯し酒宴を始める。

馬場島から「1時過ぎに下山した」とのメールが入り一安心。

ラジオをつけ天気予報を聞き、携帯電話の天気情報を見れば、出発前の涼の予想通り明日以降は大荒れの予報。

即刻、明朝の下山を決定する。そうなれば荷を出来るだけ軽くしようという理由で酒につまみに食事にと、喰うわ、飲むわ…。

それでも若い二人は諦め切れず「明日の様子見て行けるところまで行きましょう。」と言うが、

少しでも下山が遅れれば閉じ込められる危険が増すし、パーティーの足並みを考れば、下山途中に吹雪かれ動けなくなる様なことにならないよう、朝一の下山にする。

風雪はさらに強まり、そのせいで出入り口の吹流しの巾着のひもが抜けてしまい、雪がバンバン吹き込んでくる。

檜垣が抜けたひもを通して元通りにしてくれ助かったが、吹流しのひもの末端の結び目もキッチリ確認しておきましょう。

みんな、これ以上飲むのも食べるのもできなくなったので、明日に備えて8時就寝。意外と暖かく眠れた。

 

12月29日(月) 雨 早月小屋〜馬場島〜大阪

4時に起床、トイレへ行こうと小屋へ行くと、小屋の出入り口が雪で完全に塞がれていた。スコップを取りに戻り10分程かけて掘り出す。

朝食を済ませ、準備を整え6時20分に外に出ようとしたがまだ暗かったので、5分程待ってテントを出て撤収する。

外に出ると昨夜は無かったテントが1張り増えていた。「えらく遅く着いたパーティーがいたんだなぁ。」と思っていたが、

後になって判ったことだが黒部を越えて来たギリギリボーイズに関係するメンバーだったとか。やはりレベルが段違いです…。

6時30分には日も昇ったので少し偵察してみると、昨日のトレースは完全に消えてなくなっており3〜40cmの積雪のためワカンを装着。

再び昨日の二人をトップに立たせて下山開始。同時に入山してきた「かもの会」はアタック準備をしていた。

下山時も、雪上歩行に不慣れな渡辺が頻繁に転倒するので色々とコツ等をアドバイスするが、すぐに上手くなるはずもなくトップ二人との差はどんどん開いてゆく。

やっぱり早めに下山しておいてよかったなぁ、と思う。

後で聞いた話ですが歩けなくなって下山した松村も下山時、派手に転んでいたそうです。

天気予報をもろともせず我々の下山中に入山してくるパーティーが2〜3組あり、他人ごととは言え心配になりました。

 

5時間程かかって12時頃馬場島到着し、下山していた二人と再会。

松村の具合を確認したところ「歩けます!」との返答だったので、「ヤマタン」を返却し上市交通のタクシーを手配し12時半頃下山を開始する。

ミゾレ交じりの雨の中、予想よりも早いペースで歩けたので、途中で再度タクシー会社に1時間ほど早く来てもらうよう連絡する。

2時45分に伊折に到着。そのまま「アルプスの湯」へ送ってもらい、行きに預けたお風呂セットを受け取りお風呂に入る。

下山後の温泉は最高に気持ちいい!お風呂の間も濡れたザックを預かってくれたり、再び迎えに来てくれたりと至れり尽くせりでとても助かりました。

電車で上市へ移動し「親戚の所へ行く」と言う深美と別れて富山へ。

上市で6人で打ち上げがしたかったが開いているお店が満席だったので、富山駅前の小洒落た飲み屋で5人で乾杯!!

各自土産などを買い8時前出発のサンダーバードで11時30頃大阪へ戻った。

 

あとがき

今回も色々な問題点が浮き彫りになった山行でした。

まずはメンバーの体力。ある程度は均衡がとれていないとパーティーとしてのまとまりがとれない。技術もまた然り。

でもこれは、山で経験を積まないとどうしようもない部分もあるが、体力は町中でも鍛えることはできるので、普段からの自己トレーニングが肝要。

それとメンバーの選別はもっと慎重にするべきでした、冬の剱ともなればそれはなおさらで、冬山経験の浅い新人にはそもそも無理だったように思います。

強い者と弱い者が一緒に山に入れば、弱い者を放っておいて強い者だけが先へ進む訳にはいかず、

弱い者にペースを合わせなくてはいけなくなり会としての山行レベルが低下してしまう。

そうなれば強い者の不満にもつながりアルデの存在意義も揺らいでしまいそうな気がします。

今回は事故無く下山できましたが今後の課題が残りました。

 

MEMO

馬場島荘ビール350ml缶 300

早月小屋ビール350ml缶 600

早月小屋テン場代 一人500

※早月のビール代とテン場代は下山後馬場島荘で「自己申告」で支払う。

上市交通(タクシー) 076−472−0151 値段交渉可?

お風呂は年末年始の営業日を予め確認しておいた方がいいかも…。

(記録 大内)

 

電鉄富山駅にて。白い電車で上市へ

馬場島まで車道歩き。

暑いくらいのいい天気

馬場島にて。峰々が夕日に染まる

2日目 早月小屋までの登り

 

馬場島に引き返す途中で。

能登半島が見えた