宝剣岳山行記録と感想

 

日時    2013年12月6日()〜7日() 5日夜発

場所    中央アルプス 宝剣岳

メンバー   大内()(L)、森田(SL)、八馬、檜垣、松並、松村、渡邉

行動    12/() 21時頃大阪発 菅の台バスセンターにて仮眠

           12/()    

                           8時15分 菅の台バスセンター発 / 9時頃 千畳敷ホテル着 / 

9時55分 千畳敷ホテル発 / 1430分頃 乗越浄土 / 

15時頃 宝剣山荘前着&テント設営 / 16時 テントに入る

           12/()  曇時々強風

                           5時前 起床 / 7時 宝剣山荘前出発 / 14時半頃 千畳敷ホテル着 /

1555分 ロープウェイとバスにて下山、帰宅       (ここまで文 大内)

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アイゼントレの復習&実践がアルプスで出来るなんて贅沢だし白い千丈敷カールはカッコいいよねってコトで行ってきました。

 

12/5

21時に吹田に集合し菅の台バスセンター駐車場を目指します。渋滞もなく到着。幕営して明日に備えます。

 

12/6

始発のロープウェイに乗って2612mの世界へ。千丈敷駅で準備整えて乗越浄土を目指して出発します。

パフパフの新雪にたまに顔まで埋まりそうになりながら交代ラッセルで進み会長の「番手が遅れ始めるとざまぁ」と檄が飛ばされつつ乗越浄土へ。

ワカンからアイゼンに変えて宝剣山荘前で幕営。

 

2日目:

乗越浄土から50mをカラビナスルーで下りますが、ホワイトアウト状態で場のコンディションも悪い為、撤退して勒銘石方向へ。

途中、他パーティーと合流して70mカラビナスルーで下降し千丈敷駅までラッセル大会。

ラッセルの時にマットとまた会う日までしたりの経験値稼ぎな回やったけど一瞬、晴れたスノウダストトッピングな雪景色は最高にカッコ良かったです。

※今回の核心は吹雪の中でのトイレ。

お尻が凍るかと思った。

 

 

 

(文・写真 八馬)

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12/512/7にかけて前夜泊と山中一泊二日の日程での宝剣岳山行に参加した。

今回は冬合宿に向けたトレーニングの一環であり、管の台バスセンターからバスとロープウェイを利用して宝剣山荘前を経て宝剣岳をピークハントする予定である。

山行初日はバスとロープウェイで千畳敷駅まで移動した後、新雪が多いためワカンを着けて登山を開始した。

トレーニングのためトレースには頼らずラッセルをすることになるが久しぶりの雪に苦労した。

宝剣山荘手前のコルを目指して、先行した登山者のトレースの真横にトレースを付けていくのは楽しかった。

宝剣岳山荘付近でテント設営すると時間が大分経過しているため直ぐにテント生活となり楽しく過ごした。

翌朝は天候が悪く視界不良、また昨夜にだいぶ降雪があったことなどからすぐに下山に取り掛かる。

しかし、登りに使ったルンゼは状況が一変していて森田さんがロープでの確保のもと下りていくと、新雪に亀裂が入る。

雪崩れの恐れからルンゼの下降を諦めて枝尾根から降りることとなり、まず隣の尾根を降り始める。

しかし一瞬視界が晴れたときに、もう一つ隣の尾根が岩稜ではなく降りやすそうであることから登り返して転進する。

FIXロープを張りながらカールの基部まで降りる。後は千畳敷駅までひたすらラッセルとなり、ロープウェイの最終に間に合うよう、効率的に進んでいく。

このような一連の冷静な判断と行動を目の当たりし、とても勉強になった山行でした。

(文 檜垣)

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12/6(土)

ロープウェイを経由して千畳敷へ入る。雪が多くすぐにワカンの装着の指令!初めてのワカンに初めての本格的なラッセルとなった。

そこそこの荷物を背負い、腰近くまで埋まる雪をラッセルして交代で進んで行く。

新人の多いうちの会の横を蛍雪の方達が抜いていくが、そのトレースは踏ましてもらえずアルデの道を築いていく!

想像してた以上に進まないのと息のあがりが早い。

トレーニングが主の山行なので、頭の中で色々探りながら少しづつ前へ、ようやくカールを上がりきった辺りでアイゼンに履き替え、宝剣山荘へ。

夜間はずっと風が強く、風の押したテントに叩かれ目が覚める。

水蒸気が凍り、その霜が風で揺らされテントから落ちてきて目が覚める。

もちろん熟睡なんて出来るとは思っていないが、寝れないと夜が長い。朝には風が止んでいることを祈りながら時間をやり過ごした。

 

12/7()

テントから一歩外へ出たら、顔に突き刺さるほどの荒れ方で、慣れない自分は必至でテントの撤収作業をする。

ようやくアイゼンを装着し下山行動へ。昨日登ったカールを下りる。

昨日の雪のせいか雪崩の危険があるのかロープを出して下って行くが、途中、左右にクラックが入っていることに気付く。

このルートは危険の為、一旦、登り返し別ルートを探す。

ここで蛍雪山岳会の方達と再び会い一緒に行動することになる。それから下ったり、上り返したり、ただただついて行くしかない自分。 

 

常に風は吹き続け、時折中腰になり、やり過ごすような風に吹かれ、無我夢中でついて行く。

蛍雪の岩田さんと森田会長で相談しながら少しずつ高度を下げていく。

少し視界も開け風の当りも弱まったような気がしてきたとき、先頭を行く岩田さんからワカンに履き替えの指示。

ここからが二会合同のラッセル大会となる。雪が深いのと新人が多いので中々進まない。

そうこうしているうちにガスが晴れ千畳敷ホテルが見えた!

しばし緩い雰囲気になっていたが、ロープウェイの最終時間に間に合うのかが問題になりとにかく早く前へ進めのムード。

 

正面に見えるホテルまでの別のトレースに向かって最短距離で突っ込んで行くが、新人は足は埋まるは、体は埋まるは、もっぱら雪に戯れてるような感じの進み様。

しかし、少しでも人数が増えると体も楽だし、心強くもなる。連帯感を凄く感じることができた。これは普段の山や生活では感じることのない経験だった。

 

ロープウェイの時間が問題とならない場所までたどりつき、安堵感を感じるも残りの200m程のゆるい登りが一番足にきた()

装備を外し、荷物をまとめた後は、暖房のきいたホテルの食堂で食事をとった。

食堂の半分を使ったクリスマスイベントなのか、綺麗な服着たお姉さま達が食事を楽しんでおられた。

ギャップにとまどいながら、お山価格の1,250円もするカツカレーをガッつく私でありました。

 

反省は、団体行動の難しさ、極寒の場所での行動の俊敏さや大きな意味でシンプルであることの大切さを思い知りました。

ワカン、アイゼン一つの装着があと1分早ければ、もっとスムーズに行動できれば、状況や精神面、体力に至るまで変わると感じました。

全ての改善は急には無理ですが、出来ることはすぐ行動し自分の経験値へのプラスにしたいと思います。

最後に南アルプスの山々が綺麗に見えて感動しました。

(写真・文 松村)

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 アルデで初めての冬山、緊張で胸の高まりが、おさまりませんでした。

 ワカン付けての初めてのラッセルは、体力の消耗が激しく、こんなにもしんどいものか...と改めて体力の無さを感じました。

吹雪でのテント設営、水作り、トイレ、など初めての事ばかりで、テント生活でさえ厳しいなぁと思いました。

 吹雪やホワイトアウトでの行動、ルートファインディング、雪崩などの危険察知、どれもこれも勉強する事ばかりでした。

あの時もし一人だったら、確実に遭難してるな、と思いました。改めて冬山は恐ろしいと感じました。

 千畳敷ホテルに皆で、戻ってこれた時の喜びと安堵感、やり切った感は、清々しいものでした。

冬山の厳しさや楽しさを肌で感じる事が出来、最高に良かったです。また行きたいと思いました。

 (文 松並)

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12/67とプチ冬合宿ということで宝剣岳へ。

ほぼ、初めての本格的冬山。寒いの嫌いという理由だけで冬山を拒み続けてきた私ですが、とうとうデビュー。

しかも、冬山に快適を求めてはいけないという先輩からのありがたいお言葉いただき、モンベルの#3のシュラフで寒さに耐えられるのか、大実験。

 

12/5 バス停横の駐車場でテン泊。よりによって、猛烈な寒波が押し寄せているとのことで、寒い寒い。山の上でのテン泊が不安になります。

 

12/6 バスに揺られ、ロープウェイに乗って、一気に標高2600m付近まで。

早速ワカンを付けて出発。寒波のおかげで積雪量も結構あり、いきなりの膝ラッセル。

最初は楽しくきゃぁきゃぁ言ってたものの、登りになるにつれ、ラッセルなんかする余裕はどこにもなく…。高度に順応できてない様子。

進むべき方向に先発隊がつけてくれた素敵なトレースがあるにも関わらず、はやりそこはトレーニング。

皆でラッセルして進めとのお達しが。ラッセルする余裕なんぞどこにもない私は後ろからそっとついてゆくのにも精一杯。

稜線に出ると視界悪く、吹雪。これが、雪山なのかっ!と思いつつ、皆でテントを張り、潜り込む。

そこからは、お酒を飲み、鍋をつつきまったり過ごす。

ただし、外は結構吹雪いておりトイレのために外に出るのも決死の覚悟が必要。お尻が寒さで痛いなんて、初めての経験です。

寝る前にガスを消すと、どこからともなく寒さに対する恐怖感がやってくる。

眠りについても風の音で目が覚める。その瞬間、寒さを覚える。の繰り返し。ただ、眠れないほど寒い訳ではなかった。

 

12/7 起きるとまだ外は荒れ模様。視界もない状態なので、宝剣岳のピークも踏まず、下山しましょうということになり、早々に下山する。

トレースもきれいに消えてなくなっており、前日に相当雪が積もった様子。

昨日登ってきたルートは雪崩の危険があるとのことで、迂回して隣の尾根から下りることに。

視界がない、下りるべき尾根の判別にこんなに苦労するとは思ってもみなかった。

尾根を下りきってもその先は腰ラッセル。進もうにもなかなか前に進めない。

今日中に帰れないんじゃないかという不安がよぎったりもしました。

途中、晴れてきた!そして、遠くにロープウェイの建物が見えた時は本当に安堵しました。

13時半ごろ、ロープウェイ駅に到着、あったかいお蕎麦を食べて、無事に下山。

 

冬山は一に体力、二に体力といわれていた理由が身にしみてよくわかったとともに、モンベル#3のシュラフでも案外大丈夫ということが判明したプチ冬合宿でした。

せめてラッセルを率先してできるぐらいの体力は付けたいと心の底から思いました。

(文章 渡邉)

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アルデ山岳会に入って初めてリーダーとしてこの宝剣岳山行を計画しました。

まだ10年選手の私ですが、今回の感想などを書かせていただきます。

まず、それぞれも書いてらっしゃいますが、体力のなさに正直ちょっと不安を持ちました。

冬山は初めて、または経験が少ないという方が多いので、これからの課題として体力作りにはげんでいただきたいと思います。

 

持論になりますが、冬山はなにより体力だと思っています。

もちろん、ロープワーク等の登攀技術、テント生活を快適に過ごす生活技術など衣食住の技術も必要ですが、それよりなにより体力です。

1人が遅れることによって、他のメンバーを危険に陥れる可能性があるのが冬山であるということを常に考えておいてほしいと思いました。

 

自身の反省としては、ルートファインディング力が足りない、ということです。

風が強く、辺りが白くて、正面が見えづらかったとはいえ、雪深いところをわざわざ歩いてしまったり、下山ルートにアタリをつける力がまだ足りない。

ここ数年、冬山に入る機会が減っていたので、今回の山行で改めて痛烈に感じました。

そして今回、サブリーダーとして参加していただいた会長に迷惑をかけたと反省しています。

 

今回、自身、5回目の宝剣岳(木曽駒ヶ岳周辺)の山行でしたが、

「今日中に帰れんのかなぁ?ホテルで素泊まりかぁ?(ホテル周辺は幕営禁止なので)いやいや、こうなったらお風呂に入って暖かいところでおいしいもん食べたいなぁ。あ、でも明日、仕事かぁ。」

などと予定通りに帰れるか、久しぶりに心配がよぎった、山行でした。

晴れてなにごともない山行も楽しいですが、やはりちょっとスパイスがきいた山行の方が記憶に残りますし、楽しめます。

今回のメンバーの方には、これにこりず、宝剣山頂を再度目指して欲しいと思いました。またぎりぎりの山行しましょうね。

(文 大内)