6Dフェース(富山大ルート)、Aフェース(中大ルート…のはずが途中から魚津高ルート)

日程 2014/8/10−17

メンバー/中嶋 小林

 

合宿として参加しているが、会長のお許しを得て、今日は来年アイガーに一緒に行くべたこさん・ちびサンボさんと登る。

5時、熊の岩出発。Dフェース取り付きには熊の岩から雪渓を平行移動して30分ほどで到着。楽々アプローチ♪。

昨日、頑張って熊の岩まで上がった甲斐があった。

 

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「楽々アプローチ♪」

 

ちびサンボさんは以前に登ったことがあるということで、中嶋・小林組が先に取り付かせてもらう。

取り付きはかなり奥まったCDフェース間のルンゼ状にある。日陰で寒い。早くリッジ上に出たい〜。

 

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「1P目」

 

1P目、中嶋さんリード。15mほど左上気味に登るが、その次の小さなハングをどこから超えるか悩んでいた。

結局凹角から登って行ったが、終了点はそこから少し下がった左側。

次に登ったちびサンボさんは凹角からではなく、左から登ったが、おそらくそちらが正しいルートだろう。

セカンドの私は、ランニングの位置的に中嶋さんと同じ凹角から登ったが、1P目からなかなか手強かった。

2P目、小林リード。ハーケンも色々あり、どこも登れそうなので迷うが、ちびサンボさんのアドバイスに従い登る。(どの辺りを登ったのか、正直あまり覚えてない…。)

3P目、トポ上は核心。中嶋さんリード。するすると順調に登る。40mとあるが、早めに切った模様。

セカンドの私も順調に登る。今までで一番簡単くらいで、核心とは思えない。

これじゃあ、次の私が核心になってしまう!と文句を言おうと思ったら、次も中嶋さんがリードしてくれるとの有難いお言葉。

2P目終了点のすぐ上は細かいフェース。終了点から左に草付きのバンドが続いているが、

核心手前で切ったと思い込んでいる我々は、草付きではなく正面のフェースに取り付き、二つランニングを取ったところで、なんかおかしい…と気付く。

そのフェースを越えても、その後が繋がらない…。

次に登ってきたべたこさんは左の草付きバンドからリッジに出るのでは、と言う。

確かに素直に見るとそちらが簡単そうだけど、じゃあ核心はどうなったのさ〜。

べたこさんに続き登ってきたちびサンボさんに聞くと、前回は左のバンドに行ったとことなので、リードの中嶋さんは2P目終了点まで戻り、仕切り直し…。

ちょうど後ろにはCフェースの「ナイフリッジ」が見える。

こちらは他に誰も登っていないが、あちらは大盛況。

仕切り直しの3P目、べたこ・ちびサンボ組に続き、左のバンド〜リッジを中嶋さんリードで登る。ようやく日の当たるリッジに出た!

 

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3P目を登るちびサンボさん」

 

5P目、快適な高度感のあるリッジを小林リード。リッジ途中で切る。

続いて中嶋さんリード、リッジから次第に傾斜が緩くなった草付きを登り、10時過ぎ、Dフェースの頭へ出て終了。

結局、核心も分からず、リッジに出るまでは日陰で陰気だし、なーんかスッキリしないが、リッジに出てからは快適なクライミングだった。

天気は曇りで涼しいくらい。ずっと雨具の上を着ていた。天気もまだまだ持ちそうなので、続いてAフェースを登ることにする。

Dフェース頭からは、八ツ峰縦走路を辿って、56のコルへ向かう。

30分弱下ると、懸垂地点(灌木にボロボロシュリンゲ)あり。

ここから2回懸垂して56のコルへ。ここからガレ場〜草付きを辿って、右手に回り込むとAフェースの基部に出る。

 

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「コルへの懸垂」

 

ぼろいシュリンゲがぶら下がっているルートの隣が魚津高ルート。

そこから一段上がった奥に中大ルートがある。トポ上は中大の方が少し難しそう。

快適に登って帰りたかったので、魚津高でいいかと思っていたが、べたこ・ちびサンボ組は魚津高に登るということで、せっかくだから違うところ登るか、と中嶋さん。

中大1P目(W+)は、見た目にもなかなか難しそうだが、中嶋さんの「Aフェースはグレードが甘目」という言葉にそそのかされて、中大1P目、小林リードで登り始める。

うーむ、なかなかホールドが甘い…。超難しいところがワンポイントあるというのではなく、全体的にガバがなくて、緊張が続く。

と、気付くと行こうと思っていた右のクラックから少し離れてしまった。

そのクラックを抜けた上に比較的新しい青いシュリンゲがぶら下がっており、そこが終了点のはずなのに…。

右のクラックに戻ろうにも、少し登り過ぎてしまっている。

左にはボロいシュリンゲがぶら下がっており、その左奥を覗き込むと、そこにも終了点があり、次ピッチのハーケンが続いてる。

が、そちらに行くにも、一カ所足が切れたところを岩を抱え込むようにして渡らなくてはならず、なかなか怖い。

しばし右往左往するが、左の方が安心感があったので、そちらに登る。

左下には中大ルート1P目終了点でビレーするべたこさんが見えた。

そして終了点に到着し、やれやれとビレーの準備をしていると、中大2P目、ちびサンボさんがこちらに向かって登ってくる…。

あーれー、またルート間違えてもうた…。上に続いているハーケンはお隣さんのだったのね…。

また鬼監督(=中嶋さん)の説教か…と、終了点に着いて安心したのも束の間、がっくり凹みながら、ビレーする…。

ビクビクしながら、中嶋さんを待ち受けると、けっこう難しかったのか「よう登ったな~」と言われて、ルート間違えたことについてはお咎めなし。良かった良かった。

ということで、ここからはべたこ・ちびサンボ組に続き、魚津高ルートを登る。

2P目は凹角。V級と言うことだが、もう少し難しいような?

3P目は快適に登り、Aフェースの頭に出て終了。

トポには同行ルート下降も出来ると書いてあったが、各終了点、シュリンゲはあるが懸垂用のビナはなかったので、ここからまた56のコルに出て、歩いて下る。

雪渓も柔らかいので、アイゼンは付けずに渡って、熊の岩まで戻った。

ただ、雪渓の途中で上から大きな落石があり、運よく今回は当たらなかったが、すぐ逃げられるようにアイゼンはしておいたほうがいいかも。

 

感想:Cフェースはいつものように大盛況だったが、DAは人が少なく、快適だった。Dフェースは核心をおそらく飛ばしてしまったようで、Aフェースの方が難しく感じた。

熊の岩からだと六峰のフェースはゲレンデ同然。

室堂から熊の岩への行きと帰りは地獄だが、着いてしまえば、景色・環境ともにクライマー天国♪。

今年のお盆は天候に恵まれず、入山・下山日は雨だったが、それでも2本登れてラッキーだった。

 

文章/小林