見張り塔からずっと

 

2016/7/24

中嶋・小林  山口・椿尾

 

何年か前に中嶋さんが錫杖の見張り塔へ行ってみたいと言ってから、ずーっと気になっていたルート。ようやく登ることができた。

 

7/24 AM2:00起床

韓国ラーメンを玉ちゃんが作ってくれた。あっさりした味で朝食ラーメンには丁度良い。

しかも美味しかった。

 

AM3:30 準備を整えて出発。錫杖沢を詰めていく。結構な急登ですぐに汗だくになる。

1時間も経たないうちに取り付きへ到着。

今日は長丁場になることはわかっているので無駄話もせず登攀準備をして4:30登攀開始。

すでに明るくなっており登るのにも問題はない。

パーティ分けは、中嶋・小林チーム、山口・椿尾チームである。

 

山口・椿尾が先に登る。ジャンケンして一番手を決める。

 

1ピッチ 椿尾

何処からでも登れそう。右から登り左のフェースへ移動し直登する計画にする。

難しくはないがハーケンなどの残置支点ほとんどない。たまにあっても全く信用できないので所々にカムを使う。40m程登った所で、まだましなハーケンとカムで終了点を作り「ビレイ解除!!」

 

2ピッチ 山口

フェースから藪漕ぎ。

特に難しくはなかった。ただトポとは違うルートを登っているようだ。

1ピッチ目からルートミスしていたようである。。まあ、何処でも登れるので問題なし。

終了点はカムで作成。

 

 

3ピッチ 椿尾

藪漕ぎからスタート。藪漕ぎを抜けたら急に視界が広がる。何処を登ったらよいのか全く分からない。目の前に尾根があったし踏み跡があったので引き寄せられるように登った。

木で終了点を作成し「ビレイ解除!!」

山口くんが登ってきて「そっちじゃないです。」と冷静に言われる・・・。

ビレイをしてもらってクライムダウン。

 

4ピッチ 椿尾

クライムダウンしてからそのまま登る。

簡単なフェースを約20m程登ると残置のシュリンゲが掛かっている所があったので終了点にする。

 

5ピッチ 山口

45mのフェース。カムで支点を取りながら登る。

浮石が多くて、何度か落石がある。ルートは適当に登れる。

 

6ピッチ 椿尾

トラバースしながら登り、ルートを補正する。

約45m。特に問題ない。

 

7ピッチ 山口

40m 簡単なフェース。

そろそろ簡単な登りにも飽きてきたのでフリー(ロープなし)で行こうかと問い合わせるが「ロープ出してください」と言われ、冷静だな〜。と思ったことを覚えている。

 

8ピッチ 椿尾 山口

ここからは歩きで大洞窟まで行く。

大洞窟までの道がよくわからない。ようやくそれらしき道を発見!少しトポとは違うが、ガレたルンゼを登っていく。

上の方に洞窟みえたので「あれやな!」と喜び合い、洞窟まで登っていく。

途中、中嶋さんに「そっちやない!こっちやー!!」と言われたのに、見えてる洞窟が大洞窟だと思い込んでいるので気にせず登ってしまった。

ここで中嶋チームと別れてしまう。

当然、椿尾・山口は洞窟に着いてから間違えていることに気づく。

懸垂して、正しいルートまで下る。約1時間のロス。

大洞窟に到着すると玉ちゃんが登っていた。核心のルートである。結構難しそうで、厳しい所で、「あかん!!」って言ってた。

玉ちゃんって普段は標準語なのにヤバイ時は関西弁になるんだなと、一人笑いしてた。

 

9ピッチ 椿尾

下から見た所、そんなに難しそうでは無いと思った。

カムもしっかり使えそうだし玉ちゃんとは違うルートを登ってみようと思い取り付いてみる。思ったより難しい。なんといっても滑る・・。

普段なら保持できるカチが保持できない。#2, #4のカムを噛ましてるので取り敢えず落ちる。玉ちゃんが登っていたルートに戻る。

 

10ピッチ 山口

快適なクラック。30m

クラックとはいえ、ジャミングなどのクラック技術は必要なし。

カムで支点を作りながら登る。

 

11ピッチ 椿尾

快適なチムニーから激恐ランナウトトラバース。トラバース中は支点もなし、

カムを噛ませれる所もない。落ちたら間違いなくグラウンド・・・。

なんとか細いクラックを見つけてマイクロカムを噛ます。

少し気持ちが落ち着いた所から直登する。このルートが一番怖かった。

 

12ピッチ 山口

緩い傾斜のスラブを50mいっぱいまで伸ばす。ほぼ歩きのルート。

落ちたら危険なのでロープは出す。

 

13ピッチ 椿尾

草付きのルート。難しくはないが、楽しくもない。

草をホールドにしながら登る。40m地点で木に終了点を作成する。

ようやくフィナーレも近くなってきて錫杖の頂上がようやく見える。

 

14ピッチ 山口

30mの簡単なフェース。大分疲れてきているので簡単だが体が重かった。

 

15ピッチ 椿尾

やっとやっと最終ピッチ。快適なクラック。

先行して登っている玉ちゃん、持っているホールドが崩壊しマジ落ちしていた。

こわい〜!! ちゃんと見ていたので、崩壊した場所には近寄らずに登った。

山頂にて山口くんと握手をして、すぐに下山準備をする。

何と言ってもこの「見張り塔」はここからが本当の核心なのです。。

 

下山開始。

ブログを見ていると9割の人たちが下山で道迷いしている。

自分はかなり調べてきたのだが実際現地に来ると確かに下山ルートが

わからない。5峰、6峰の間にルンゼらしき場所があったので、このルンゼを降りていくのだろうということで玉ちゃんが先陣を切って様子を見に行ってくれた。結構急な下りだ。藪漕ぎで下る。

様子を見ながら下っている玉ちゃん。

あってるのか間違ってるのかよく分からないらしい。

結果としては、予定とは違ったルンゼを下ったものの下れたので間違いではない。

先陣を切って下ってくれた玉ちゃんに感謝です。(さすがリーダー!!)

ただ二度とこのルンゼを下ることはないだろう。落石が多くて危なすぎる。

 

17時頃なんとかテント場まで帰ってくる。出発から約14時間行動だった。

めちゃくちゃ疲れたが、次ぎの日は仕事があるため帰らなくてはならない。

暗くなる前に下山する必要もあり、急いでテントを撤収し下山開始。

19時頃、駐車場着。

自宅に着いたのは1時だった。

 

かなりハードだったが、これぞアルパインって感じでめちゃくちゃ楽しかった。

最近はフリークライミングばっかりやってた自分だが、アルパインの楽しさを久々に思い出させてくれた山行でした。

 

文章/椿尾