2016/7/23 錫杖(左方カンテ)

メンバー/椿尾、山口、小林

7/2221時千里中央駅に集合。椿尾さんの新車のXトレイルで快適に中尾温泉駐車場に2時過ぎ到着。

仮眠して、23日、4時半駐車場発。(ちなみに水場、トイレはない。)

橋を渡って、槍見温泉を過ぎて笠ケ岳登山口から入山。一回渡渉して40分ほど行ったところで一般道から左に逸れる小道に入る。登山口から1時間半ほどで錫杖出合に到着。

テント張って出発しようとしたところ雨降り出す。あれれー?こんな予報だったけかな?思えば錫杖を計画したのは3回目。過去2回は雨の予報だったので、2回とも他に転戦したのだった。

よっぽど縁が無いのかな、と思いつつ、ひとまずテントで待機→昼寝。1時間ちょっとで止んだが、岩は濡れてしまったので、乾くまでしばらく待つ→昼寝。

登る予定だった「見張り塔からずっと」は長丁場なので、今日は諦める。最近仕事も忙しく、先週の小川山の疲れをまだ引きずっていたので、二度寝出来たのはちょっと有難かった。

 

10時頃、取付き偵察&登れれば左方カンテ、ということで出発。テント場から渡渉して錫杖沢に入ってすぐ右の山道へ。

寝ぼけ気味で体の重い私は一回ひっくり返って、右脛を強打…。小1時間で前衛壁に到着。左方カンテの基部にはデポがあり、1パーティ取付いている様子。

ひとまず「見張り塔…」の取付きを偵察に行く。

左方カンテから左の踏み跡を辿り沢に出て、その沢を詰めて10分程度。ドン付右手のチョックストーンが目印。右壁に「注文の多い料理店」がある。

左方カンテに戻り、既に登ったことのある中嶋さんを除いた3人で登る。この取付きに戻ってくるので、靴は置いていく。

(左方カンテ1P目)

 

1山口、2小林、3椿尾の順でつるべ。12P目は湿ったチムニー状。

3P目はフェースを右上。(個人的にはこのピッチが露出感があって一番快適だった。)

4P目、またもや湿ったチムニー。

5P目、クラックか左のフェイスを登る。クラック登るつもりでカム約2セットぶら下げていったが、結局左のフェイスを登ったので、邪魔なだけだった。(結局カムは1セットあれば十分と思われる。)

途中、一番重いカム4番を使おうと奥のクラックへ移動。

そこからもう一度フェースに出るところが何だが難しくて、手こずってしまった。

5P目終了点のいいテラスでビレイしていると、隣の「注文…」を1パーティ登っていったり、上から左方カンテの先行パーティが懸垂して来たり、後続パーティも到着したりと、他にもルートはあるだろうに、ここだけすごい密集度。

6P目、このルートの核心。一休憩して、椿尾さんが荷物を置いて登り始める。

スタート地点の左壁にA0用と思われるシュリンゲがぶら下がっているが、椿尾さんは凹角の中に入って行って、見えなくなった。

と思ったらまた出てきて、どう登ったか分からないが、フリーでA0部分を抜けていった。スルスル登って行った椿尾さんから「しばらく待って」とのコール。終了点が混んでいるらしい。

このピッチのあと、本当は2Pあるはずだが、後続のお兄さん二人(山梨、長野在住。羨ましい!)に聞くと、脆くて快適でないので、このピッチを登って下降する人が多いらしい。

しばらく待った後、ようやく登ってこいの合図。私は迷わず木登りからシュリンゲがぶら下がるハーケンに乗って、A0で越えた。

そこから椿尾さんはクラックを登って行ったので、私もせっかくなので先週の小川山で練習したジャミングで登ろうとするが、手足ともイマイチ決まらず、怖いのでフェースを使って登った。(椿尾さんはハンドジャム、バチギギだったらしい。技術の差ですな。)

終了点では、「注文・・・」を登ってきた女性が懸垂の準備中。私たちもここで下るか、という話にもなったが、せっかく初めてのルートなので、次のピッチも登ることにする。

脆いフレークで確かに気持ち悪かった。後は草付きを登って稜線に出るよう。私はめんどいので、6P目の終了点で待っていた。

6P目)

11時過ぎ登り始めて、15時終了点。

このルートは錫杖で一番人気のルートと聞いていたが、雨上がりで湿っていたからか、私の気持ちが乗っていなかったからか、正直パッとしなかった。

(と、後でみんなに言うと、山口君には「色んなところ行ってるからですよ!」、中嶋さんには「この贅沢もの!」と言われたが、ゲレンデっぽいのがイマイチなのか…。

翌日の「見張り塔からずっと」の方が、頂上に登り詰める感じとかアルパインらしくて、よっぽど楽しかった。(辛かったけど。))

さて、ここから懸垂で下るが、早速大ミス。2P分一気に下れるかと思ったが、ロープが足りなくなる…。確かによく考えれば、どちらも30m以上登ってた…。

こんな簡単な計算も出来ないのか…。自分の軽率さがつくづく嫌になる。

出だしのA0部分を越えて一段上がったところまではギリギリ行けそうだが、そこからクライムダウンは無理だし、そんなとこに支点も無い。

ビレイしてもらって登り返そうかと「ビレイしてー」と叫ぶが、ビレイしてくれる様子はない…。

そりゃそうだろう、こんな状況想像してないもんな…。仕方ないので、自力で登り返す。さっき登ったところの左手のカンテが階段状で簡単そう。

プルージックは登りにくいので、まあ落ちないだろうとカラビナスルーで登った。(が、本当は危ない。せめてプルージックでセルフを取りましょう。)

5P目をほとんど登り返して終了点に着くと、そこでビレーしていた後続のお兄さんが驚いてた…。気を取り直して、ここから先程のテラス(5P目手前のテラス)に下降。

そしてここで2度目のハプニング。私と椿尾さんはフェースを下ったが、最後の山口君は凹角上を下降してきた。

ロープを抜こうとしたところ、最初の核心上のチョックストーンにロープが完全に引っかかる…。椿尾さんが何とか外してくれたが、もう一回引っかかってしまう…。

もう少し引っ張る角度を工夫しなければいけなかった。椿尾さん、2回もお手間掛けて、すいませんでした。

このテラスからは左の「注文…」を下りる。ここから懸垂2回で「注文…」基部に到着。

そんなこんなで下降で2時間ほど掛かってしまった。歩いて左方カンテの取付きに戻り、明日のために登攀具をデポ。テントに戻ったのは18時過ぎだった。

留守番の中嶋さんが冷やしておいてくれたビールで乾杯し、山口君のペミカングリーンカレーを美味しく頂く。

明日は2時起床で長丁場。日付が変わる前に大阪に戻れるかどうか不安を感じながら、20時には就寝した。(暑くて、シュラフから出て寝てた。この時期にこの標高ならシュラフカバーだけでも十分だった。)

 

以上

 

左方カンテ報告/小林

 

 核心後のスラブ

 

 最終ピッチ

 

 大洞穴