御在所岳 3ルンゼ・マイナスの滝 (2017/2/11)

メンバー:崎間(L、記)、小林、中嶋

◆概要

◆詳細

2/11 晴れのち雪

 今年の御在所は雪が多いらしい。それでもスカイラインのゲート前には車が10数台停まっていた。駐車スペースを確保しようと無理やり路肩の雪面に進んだら、車(フォレスター)がスタックした。スコップで車の下の雪を掻き出し、中嶋さんと小林さんに押してもらって何とか脱出。前途多難な幕開けとなる。

 藤内小屋まではトレースばっちりで歩きやすい。藤内沢出合にはハーネスを付けた人々が15人くらい居た。彼らの横を通り抜けて2ルンゼを目指す。前尾根向かって左のルンゼを進むと2ルンゼの入口であるマイナスの滝が現れる、という中嶋さんのアドバイスに従って進む。いつの間にかぼくらが先頭になった。吹溜りなのでラッセルが大変。腰、胸、頭と、どんどん深くなる。期せずして空身ラッセルの良い練習となった。

<▲藤内沢出合から前尾根方面>

 ラッセルしていると大きな岩が露出し水流が流れている部分に突当り、それ以上は直進できない。左にはベルグラが乗った80度、6m程の側壁がある。もしかしたらこれがマイナスの滝かも、ということで、ハーネスとアイゼンを装着。弱点を探し、ぼくがトライしてみる。

 4m程快調に登ったがそこから氷が途切れ、凍ったコケに恐る恐る体重を掛けながらの非常にシビアなクライミングとなってしまった。登れなければすぐに降りるつもりだったし、登れるのならすぐに上に行けると思ったので、ロープは出していない。素直に巻道を登れば良かったと思うものの後の祭りだ。岩を叩きすぎて、昨晩砥いだクォークは早くもナマクラ。幸い足は安定していたので大レスト可能。下で待っていた小林さん、中嶋さんが巻道から登り、上からロープを出してくれることになった。ただ、上からだとこの側壁はどこにあるか判別しづらいようだ。休んでいると前腕と気力が回復して周りが良く見えるようになり、登れるラインが浮かび上がってきた。慎重にフットホールドをつくり、コケフッキングを頼りにトラバースすると、ややしっかりしたベルグラにアックスが刺さった。ワンムーブをこらえて太い灌木にフッキング。安堵の溜息。そのまま雪面を登り小林さん、中嶋さんと合流する。大変ご心配おかけしました。

 巻道からトレースに沿って登ると本物のマイナスの滝に着いた(このときは2ルンゼだと思っていた)。しかし、4パーティーくらい順番待ちしているので、3ルンゼへ行くことにする。ラッセルが続くが、登山者パーティーが頑張ってくれて、かなり楽することができた。ありがとうございました。途中で我々も少しラッセルし、ようやく3ルンゼに到着。12時。ここに至る過程でいろいろあったので、なんとなく達成感。

<▲3ルンゼへの登り>

 貸切の3ルンゼにトップロープを張って皆で登る。中嶋さんは復帰後初アイスとのことで、真新しいクォーク(デナリで砥ぎ上げられた特別仕様)を振りかざして非常に嬉しそうに登っている。小林さんはアイゼンが合わないのか、たまに外れて苦労している。3ルンゼは傾斜が緩いので、しばらく登ると飽きてきた。14時。来るときに渋滞していた滝(マイナスの滝)へ寄ってみることにする。

<▲3ルンゼ>

 期待どおりマイナスの滝には誰もおらず、各自1回ずつ登ることができた。3ルンゼの氷は硬くて脆かったが、ここは少し粘りがあって登りやすく、傾斜もやや急でなかなか面白い。小林さん、中嶋さんが登っているときは風雪が強く、これぞアルパインクライミングという雰囲気であった。

<▲マイナスの滝(通常時)>

<▲マイナスの滝(悪天時)>

 15時半に撤収し、1時間強で下山。ラッセルあり、シビアなベルグラあり、普通のアイスあり、吹雪ありと、総合的に楽しめた充実の山行となった。今年は暖冬かと思いきや、たまに訪れる寒波のおかげでアイスの状態はなかなか良いようだ。

備忘録

文章:崎間