大山縦走 (2018/3/4)

メンバー:崎間(単独)

◆概要

 桝水高原を起点に大山をラウンド縦走しました。

◆詳細

 桝水高原駐車場から登山口の三ノ沢を目指して出発する。夜明け前の真っ暗な林道で湿雪に阻まれ、左右の足を順番に前に出すだけの辛い時間を過ごし、6:00には着くかと思いきや7:00になってようやく三ノ沢に到着。気を取直して山に登り始める。初めて来るルートなので、2万5千分の1地形図とコンパスを確認しながら慎重に取付く。文殊越への登りはなだらかな斜面で位置が分かりづらい。コンパスが指す方向を信じて尾根を目指すと「文殊越」の道標に着いた。標高が上がるにつれ徐々に展望がよくなり、山に来た実感が湧いてくる。

 キリン峠へは、ここから谷を少し下って隣の尾根を登るのだが、谷を下らず元の尾根を登ろうとしてしまい、いったん引返す。展望が良かったからすぐ気付いたものの、ガスっていたら迷っていたかも知れない。浅い谷へ降りると、木に巻付けられた怒涛のピンクテープ、さらには前日のものと思われるトレースがあり、もはや地図読みの緊張感はなくなってガッカリ。反面、ちょっと安心もしてしまう。

 稜線に出て、キリン峠手前の鞍部で休憩。振返ると烏ヶ山(からすがせん)が特徴的なシルエットでそびえている。目指す槍ヶ峰は黒々としており、雪はだいぶ溶けたらしい。ときおり発生している自然落石とチリ雪崩が緊張感を高める。雪庇部分が半ば崩壊しているナイフリッジを慎重に進み、ちょっとした岩場を登って槍ヶ峰をトラバース気味に抜ける。

<▲烏ヶ山を振返る>

<▲槍尾根と槍ヶ峰(中央上の右寄り)>

<▲槍ヶ峰近景>

 槍が峰の尾根、三鈷峰の尾根、弥山・剣ヶ峰の尾根との三叉路に位置する天狗ヶ峰から西を見ると、弓ヶ浜をバックに白く輝く剣ヶ峰が美しい。残念ながらここもトレースあり。やや北面側を歩いて剣ヶ峰へ向かう。北面は日陰で雪が締まっており、しっかりステップが決まる。剣ヶ峰山頂にはちょうど弥山側から到着したばかりの3人パーティーが居て挨拶を交わす。彼らも嬉しそうだ。なんたって青空の山頂に立っているのだから。弥山へ続く稜線では、1ヶ所細い所があり、かつ雪が腐っていて緊張を強いられる。慎重に抜けて多くの登山者で賑わうブロードな弥山山頂に出ればもう安全圏。ほっと一息つく。

<▲天狗ヶ峰から剣ヶ峰>

<▲剣ヶ峰から弥山>

 最後の関門は下山路だ(僕はいつも下りで間違える)。夏道登山道ではなく桝水高原への道を行くのだが、どこが正規ルートか分からないし地形図にも載っていない。地形を頼りに考え、気温が高いので沢筋は避けて、大ノ沢右岸の支尾根よりやや北側を進んでみる事にする。標高を下げるとかなりの部分で草地が露出しており、積雪も少なめ。シリセードを交えて快調に下り、雪解けが進んでリフトが運休している桝水高原スキー場に到着。

<▲桝水高原への下り>

◆感想

 2月初めに予定していたものの体調不良で中止したこの計画、1ヶ月後にしてようやく遂行できました。たいてい、初見ルートでは1度か2度は道に迷うのだけど、今回はほとんど迷わずに全行程を消化できたのが嬉しかったです(天候やトレースに助けられたのが本当のところですが、それを差引いても喜びがありました)。

 個人的に、積雪期に南面を登るのは今回が初でした。気象条件が良かったせいもあるのでしょうが、北壁の厳しさとは違い、南面はちょっとやさしい風貌で、伯耆大山の魅力をまた一つ感じる事ができました。

文章:崎間(2018/3/5)