鹿島槍ヶ岳 北壁主稜 天狗尾根(天狗ノ鼻BC)/東尾根、鎌尾根(大冷沢西俣出合BC)
参加者/森田、横井、中嶋、真嶋、大内、辰己、他岳友数名



鹿島槍 北壁主稜
メンバー/中嶋、岳友



5/4<快晴> 5時に天狗の鼻を出発。初めはカクネ里に下りて登り返す道を行く予定だったが、下りるのも急なので、楽そうなトラバースルートを選択した。トラバース自体もかなり急な斜面を行く。もしバランスを崩せば下まで急降下出来ます。1時間程歩くと取り付きらしい雪壁に出会うが自信がない。もうしばらくトラバースを続ける。もう一つ尾根を越した所かも?とザイルを出して偵察に行くもその壁はバーチカルな氷壁だった。引き返し先ほどの雪壁を登ることとする。ロス約1時間。
 7時北壁主稜取り付き。急な雪壁を土橋さんリードで取り付く。いきなり5m程落ちたが、途中で取っていたブッシュのランニングビレイに助けられた。つるべで3ピッチ登ると草付の岩壁が出てくる。(約20m)中嶋リードで登る。ここのルート自体一つのハーケンもない。もしかしたらルートを間違ったのかも?土橋さんも下から「あんまり無理するな、もしかしらルート自体間違っているかも知れんぞ」と声を掛けてくれる。一瞬諦めて下ろうかと思ったが登れないことはない。ただ支点がないのと岩壁の上の状態がどうなっているのか分からない不安感が怖い。(これがアルパインの面白さでもあるのだが・・・。)途中二箇所ハーケンを気休め程度に打って、上部へ出ると雪稜が続いていたので、心が軽くなった。
やっぱりルートは正しかったんだ。ホッとしながら、デットマンで支点を作りスタンディングアックスビレイで土橋さんを確保する。
 しばらくはコンテで雪稜を歩く。上部はいよいよ傾斜がきつくなりブッシュで支点を取りながらスタッカットで登る。何度かつるべを繰り返し登っていくと、トポのルートとは少し違うようなので上部で約80mのトラバースをする。途中雪面だけなので本日二回目のデットマンの活躍となる。かなりの急斜面でのデットマンだけの確保と上部の雪庇が崩れないかと心配のビレイでした。またまた、つるべで何度か登って行く。私がリードの時上部が開けてきた。もしや天狗尾根に着いたのかも?でも少し早すぎる?まだまだ安心は出来ない。と思っていると其処が終了点でした。(13時)土橋さんと握手を交わし、暫く休憩とする。「横の尾根を歩いているのは鋭峰のメンバーでは?」との土橋さんの一言に呼びかけるも返事はなし。しばらくしてその人影から名前と鋭峰を呼ぶ真嶋君の声が聞こえた。こちらからは声は聞こえない様子。手を振って挨拶を交わす。
 14時下降。間違って東尾根を下る。しばらくして土橋さんがテントの場所を見て気づいてくれた。ルート図にも初めてでは分かりにくいと書いてあったのを思い出した。快晴だったが東尾根の人の後を無意識に下ったのがいけなかった。下降自体と雪の状態もいやらしく何度もザイルを出し、慎重に下った。16時30分天狗の鼻に到着。

 今回は天候と雪の状態に恵まれて北壁を登ることが出来ました。近年の情報によると雪が少なく登れない事も多いようです。今年は雪の状態も良く、かつ快晴が続いたおかげだと思っています。良い山行でした。今後も精進し自己のレベルを少しでも上げたいと思います。
文章/中嶋


鹿島槍 東尾根 三ノ沢〜東尾根〜北峰〜北俣本谷下降
メンバー/真嶋、辰己、岳友



5/4<快晴> 早朝2時起きで眠たい眼をこすりながらの一日が始まる。早々に朝ご飯を済ませ各自準備に掛かる。北俣本谷から登り、途中三の沢出合いにて鎌尾根班と別れ、沢を詰めて一歩ずつ登っていく。沢自体は大きく左にカーブし、両側を高い岩稜に挟まれる形であったので、沢筋に陽の光が差し込むごとに高度感のあるいい眺めが続いていた。そこから進路を右斜面に取り、強風の東尾根に抜ける。(6時過ぎ)雪の少ない荒沢奥壁の方向を見やり「今頃西村さんと尾崎さんは…」と話しながら、一路、第一岩峰を目指し、三の沢寄りにトラバースしながら雪稜を進む。
 第一岩峰では案の定、大渋滞が始まっている。前方の3パーティー9人ほどが取り付きと上部で詰まった状態。後ろからも来るのでさすが人気のルートやなぁ…思う。なんとか順繰りに抜けて、荒沢側にグッと切れ落ちたナイフリッジを進んでいくと、またもや渋滞の最後尾に歩きついてしまう。嗚呼〜。わずか一ピッチの第二岩峰でしたが、持ち手のしっかりした上部核心部チムニー付近で「あかん〜。持ちあがらんわ〜」という関西風のおばちゃんが詰まっている様子、後続は「まだかいな。」と言わんばかりにベタッとくっついて上がる様子が何とも面白かった。
 その後アンザイレンも解いて荒沢ノ頭を過ぎ、遠く槍ヶ岳を望みながら進むうち、北峰にて森田氏の迎えを受けながら、先着の鎌尾根班と再会し(14時前)下降の途に着いた。
文章/辰己

東尾根組の写真↓