2008年10月12日(晴れ)   穂高岳 屏風岩 東稜ルート
メンバー/中嶋L、吉田



朝5:00に横尾のテント場を出発する。まだ、薄暗くヘッドランプを付けて歩く。渡渉点に着く頃には明るくなってきた。水量は少なくザイルも張ってあり、ザイルにつかまりながら飛び石ぞいに渡ることが出来た。
T4の取付きに着くと岩に1P(パーティ)取付きに1Pの姿が見えた。取付きの1Pは雲稜ルートを登るとの事。登攀の準備をして7:00に取付く。

1P 吉田リード 3級程度の岩場を順調にリード。中嶋は登山靴のため少し戸惑いながら、A0で登る。
2P 中嶋リード 冬場はこのピッチがかなり難しくなる。無理を言ってリードを任せてもらう。かぶり気味の岩をA0で越して左にトラバースした上が難しいスラブだ。岩角とハーケンの位置を確認しながら慎重に登る。雪がないと登山靴でもすんなり登れてしまった。もちろんA0だが・・。
T4に着くと雲稜に1P東壁ルンゼに1P東稜に2P取付いていた。東稜ルートにT2から9:00に取付く。 1P 中嶋リード A1でハングを超えて15mでビレイ。吉田はアブミの経験が少ないためかなり戸惑っている。
2P 吉田リード A1でスラブを左上する。20mでアブミビレイ。
3P 中嶋リード A1でスラブを登る。狭いリッジでビレイ。
4P 吉田リード A1で垂壁を登る。
5P 中嶋リード A1で登り少し傾斜のおちたところからフリーで登る。
6P 吉田リード 少し右にトラバースして左上するとピナクルテラスに着いた。15mでビレイ。
7P 吉田リード ピナクルの上よりA1で登り、終了点前をフリーで抜ける。
トポだと6Pになっているが、所々に終了点があり、区切りによってピッチ数が変わってくる。壁自体はA1が多用されている為、登山靴でも難しさはそれほどでもないが、高度感はすごい。冬にアイゼンでの状況ではもっと厳しい状況になるだろう。萎縮する必要はないが、冬に向けてのトレーニングはしっかりやる必要がある。やっとの思いで登攀を終了したのが17:30だった。なんと8時間半も壁にぶらさがっていた。やれやれ。終了点からもザイルを出して、分かりにくいルートを迷いながら上部へ向かう。途中暗くなりヘッドライトを付けて登る。真っ暗な中屏風の頭に着いたのが20:30だった。ここをテント場にしようと思ったが、あと1時間下り、屏風のコル手前の快適なテント場を今日のねぐらとした。全工程16時間半の長いクライミングとなってしまった。 中嶋が登山靴で登ったのと吉田がアブミに慣れていなかったのと後半は疲れてスピードが上がらなかった為、時間がかかってしまった。しかし、お互い最後までどんな形であれやり遂げられた事に満足した。3日間とも天候にも恵まれて綺麗な穂高の山々や景色を堪能する事が出来た。

文章/中嶋