2008年11月1-3日 錫杖岳 1ルンゼ、左方カンテ
メンバー/中嶋L、辰己


11/1 <雨のち晴れ> 眠たい目をこすりながら急行きたぐにを降りると雨が降っていた。晴れの予報だったはずなのに・・と思いながらとりあえず某『クラシックR』本に記されていた「猪谷駅から第3セクターの??」を解明すべくノスタルジックなワンマン車両に乗り込み眠りにつく。目的地につく頃には晴れ間もみえだして楽しくなってくる。猪谷駅から国道に下ると神岡経由急行高山行き(9:15発←ちなみに富山駅前8:30発のバス。猪谷まで電車を利用した方が600円程安い)、もしくは、飛騨市巡回バス(11:32発)があるとのこと。どうやら第3セクターは濃飛バスのことをさしている様であった。2時間ばかし時間をつぶすために紅葉に彩られた神通川河岸公園沿いを散策してカモシカに遭遇したり、ものっっ凄くしぶいパパイヤを拾ったり、これまたノスタルジックな駅舎でしばしの仮眠をとる。神岡営業所からは平湯行きバスに乗り換え栃尾温泉まで、さらに新穂高温泉口行きバスに乗り換えて中尾"高原"口(本には中尾"高原"口と記載されている)にて下車。非常に面倒くさいアプローチとなった。ブルジョア中嶋氏とは栃尾温泉で合流する。林道の脇の登山届け提出用電話ボックスを越えて(12:20)テン場に到着(13:45)。宿泊用具を置いて「とりあえず3ルンゼ登れるところまで」とクリヤの岩小屋経由で取り付きまで登っていく。顕著なルンゼは早朝までの雨で黒光りして何とも嫌な感じであった。取り付いてみるとまるで沢のぼりの様に伸ばした手から水がつたってくるので袖からズボンまで濡れてしまう。おまけに冷たい岩のせいで手がかじかんでなんてことないはずの乗っ越しも冷や汗ものだった。40m(45?)オーバーの支点で区切りビレー。中嶋も手がかじかんで体感グレードX+!?とか。予定の4時を少し回ったのでタイムアウト懸垂下降して来た道を戻る。夜は親子丼とビールで美味しい幸せな一時となる。

11/2 <快晴> 今日は左方カンテと1ルンゼの2本を目標にスタート(6:00)。残念ながら左方カンテには関西からという3人パーティーが先に取り付いていたので1ルンゼを登りに行く。辰己⇔中嶋のつるべ方式をとる。昨年左方カンテと間違って登ったルートでおぼろげに記憶が残っている。ルンゼ左の階段状フェイスを登る(7:00)。途中3人パーティーが取り付きに到着するのが見えた。垂壁交じりのスラブから甘い持ち手が何箇所かある逆層スラブへと順調につるべで進む。5P目のV字状岩壁で派生ルートのルンゼに着くがハーケンは見当たらず、カムはもらってこなかったのでどうしたもんか・・・とルートに悩む。中嶋から「右とちゃうんかい〜!!」との野次を受け、「なるほど右なら・・」とロクスノアルパインクライミングの↑がある方に進むも行き止まり。登るのに集中しすぎて少々ランナウト気味(大反省)の壁を恐る恐るクライムダウン。唯一あったハーケンに捨て縄+ビナをかけてダウン。中嶋に交代を願う。ルートに悩んだ箇所で左にトラバースできるとのこと、視野の狭さに大反省する。大テラスからXA1箇所を中嶋リードで抜け、スラブからビレイポイント、1段下がった右手チムニーからクラックを抜け一旦サイルをしまう。バンドを右にすすんで石の門をくぐったところでザイルをだして1Pで絶景のP3稜線に抜け出た(12:30)。遠く雪のかぶった槍穂の稜線が素晴らしく暫しの小休止。烏帽子南側(!!)の踏み跡をたどり西肩から雪のかぶったクリヤ谷トレイルを下りテンバ着(16:00)。冷やしたビールをいただきながら今日のしくじりを反省しつつ便利なジフィーズ米と肉団子を食べて就寝。

11/3 <曇り> 昨日より少し早めにテン場を出る(5:40)。左方カンテ取り付きから一番乗りで中嶋⇔辰己でスタートする(6:40)。快速電車のように順調にザイルも伸ばせ楽しいクライミングが続く。よくもまぁこんなに多彩な岩の形状をうまくつなげてルートになったものだと関心しながら登る。5P目はクラックが濡れているのでフェイスにつなげる。7P目は立ち木を利用してピトンに導かれながら、浮石を落とさないようにそろーりと登る。下方向には強そうに見えた立ち木でビレイをしかけるが横に動かすとグラグラ(汗)、中嶋が登る直前だったのでストップをかけ、すぐ上に見えていた(あわわ・・・)アンカーポイントに支点を作り直しコールをかける。改めて視野の狭さを痛感する。。。8P目は真上のアンカーリングが見つけられず、左にルートを探すが岩も脆く違うと判断し正規ルートから直上し終了(9:45)。くだりは懸垂で注文の多い料理店のルートを経て錫杖沢からテント場に戻る。
 帰りは懐事情が色々とありまして、バスと新幹線の別手段をとって各々帰阪しました。

文章/辰己