2009年12/18-20 甲斐駒ケ岳 黄蓮谷右俣
メンバー/中嶋L、辰巳、吉田

12/18 下界晴れ、標高2000m以上ガス、雪。
 8:42竹宇駒ケ岳神社、10:52横手からの合流点、14:15五合目、15:40岩小屋
12/19 くもりのちときどき雪。
 6:30岩小屋発、7:10坊主の滝取り付き、8:10坊主滝終了点、15:30奥の滝手前。
12/20 はれのち風雪
 7:10発、12:30甲斐駒頂上、15:00五合目、18:30竹宇駒ケ岳神社着
 主要装備 50mダブルロープ、スクリュー10本、モンベル4人用テント

12/17
 17:30、愛車にて松江発。山行中はずっと冬型の予報。22:00千里中央集合。辰巳ちゃんは風邪気味とのこと。中嶋さんは忘年会。出来上がっている。

12/18
 3:00諏訪湖サービスエリアで仮眠。朝はウオシュレットにティーサービス。
小淵沢ICから国道20号経由で、標識に導かれて竹宇神社駐車場へ。
黒戸尾根の長い登りが始まる。横手との合流点から雪が出てくる。背後の甲府盆地は晴れているが目指す黄蓮谷方面は厚い雪雲がかかっている。
五合目小屋は跡形も無い。小屋跡から右手へ踏み跡と赤テープをたどり岩小屋へ。
水はすぐ下の沢で取れた。風もよけれる快適な場所だった。
天気は20日まで強い冬型の予報。東京は晴れなので、ここ甲斐駒は期待できる。
しかし、雪はかなり多い様子。雪崩の恐れがあたまをかすめる。

12/19
 岩小屋から5分で黄蓮谷へ。新雪がかなり深い。ひざ上のラッセルだ。坊主の滝はかなり雪をかぶっていたが、それなりに結氷している。辰巳トップでやや右から左トラバースし直上。その後15M滝は階段状を容易に抜ける。延々ラッセルが続く。ずぼずぼ歩く途中で流芯を踏み抜く。水が流れている。今回の冬型が来るまで暖冬だったせいで、沢が凍ってない。そこへ新雪が積もっている。快適な氷上のダンスのつもりが、ガチンコのラッセルになった。結局、奥千丈滝は埋まっていた。後から来た単独行者と一緒になり4人でラッセルを交代して進む。インゼルから左の枝尾根を進み、奥の滝手前で谷に降りる。積雪1Mはあろうか。時間も15時を過ぎたので、大岩に囲まれた場所でビバークとする。単独行者はもう少しと言って進んでいった。なんと彼は駐車場からワンデイを目論んでいたのだ。

12/20
 午前中は晴れるようだ。高度差にして頂上まで約500m。単独行者の踏み跡をたどり谷の右よりに上る。奥の滝は半分以上が雪で埋まっており、近づくのも危険を感じる。右の枝沢をダブルアックスで上がっていると、単独行者がすぐ上を登っている。昨日は日が暮れてビバークした模様。きつい傾斜のルンゼから枝尾根に乗る。ここからは、ラッセルに岩稜登攀を交えて、じわじわ高度を稼いでいく。それにしても長い。出発から5時間でついに頂上。風雪の握手を交わす。単独行者とは、ここでお別れ。 長い長い黒戸尾根を下る。途中バテ気味の二人にしびれ切らしたか、辰巳ちゃんが先に下っていった。横手との分岐からは日も暮れる。中年男二人組は、いっこうに近付かない甲府盆地の夜景へ向かって、とぼとぼ下っていったのでした。

後記
 2年越しの計画で意気込んでいたが、予想外の積雪で、ラッセルに終始した感がある。今年は暖冬とはいえ、流水があるのも予想外だった。快適なアイスを狙うなら寒い年の12月上旬だろうか。それでも敢えて言わせてもらえば、長い尾根歩きあり、氷あり、ラッセルあり、岩稜登攀あり、と、今回はアルパインの凝縮した山行だったと満足している。(負け惜しみ度50%くらい)

文章/吉田