遭難事故対応マニュアル
このマニュアルは大阪アルデ山岳会の会員が参加する山行で発生した遭難事故の対応策を記している。季節、山域、登山形態などの諸条件により柔軟に対応するが、基本的に最終下山報告時間を過ぎても連絡がなければその日のうちにメールおよび電話にて安否の確認を行う。その後、18時間を経過しても連絡の取れない場合にはこのマニュアルに準じて行動する。
1.事故発生時の対応
@ 自身の状況判断と安全確保の後で負傷者の応急処置およびパーティーの安全を確保する
A 無線/携帯/伝令にて警察、他の登山者、もしくは最寄りの山小屋に通報および救助を依頼する
また、山行届に記載している緊急連絡先もしくは役員に事故発生の第一報をいれる
2.事故の第一報
(1)第一報を伝える側
@ パーティーの人数とリーダー名
A 遭難事故者の人数、名前
B 事故発生日時
C 場所、事故の発生状況(事故原因および内容)
D 事故者の状況(怪我、意識の有無、処置について具体的に)
E 他のメンバーの状況
F 警察との対応(ヘリ要請の有無)と自力下山の可能性
G 現地の気象状況
H 無線、携帯電話などの連絡手段
I 燃料、食糧、装備の残量
(2)第一報を受ける側
@ 第一報を受けた者は上記の内容を聞き取りメモに書きとる
A その後、役員で早急に遭難対策会議の場所および時間を決定する
B 情報の一本化を図るために連絡担当を定めて、山行メンバーの緊急連絡先および名簿順に
各会員に遭難事故の要旨を報告する
3.会の対応
(1)遭難対策会議の開催
会長以下の役員および会員は速やかに集合し以下の事柄を決定する
なお、対策本部責任者は原則として役員が行う。
@ 対応策及び役割分担(在阪、現地、連絡、装備、会計、記録)
A 捜索救助隊員の選定および日程確認
B 情報の収集と整理(第一報内容、山行計画、山域の地形と気象などをまとめ事故概要の作成)
C 捜索救助隊の行動計画の作成
D 対策本部(現地/在阪)の設置および関係会員への連絡と招集
(2)在阪対策本部の設置と運営
@ 遭難者の家族および関係者(職場)への対応
A 現地警察および大阪府警察への連絡
B 府岳連、遭難対策委員会への連絡および協力依頼/希望者の調整
C 当座の資金調達
D 報道機関への対応
E 進捗状況に応じた捜索救助隊の行動計画案の作成
F 会員への状況報告
G 情報の一元化
(3)現地対策本部の設置と運営
@ 在阪対策本部で決定した行動計画に準じて行動する
A 在阪対策本部に対し常に状況報告を行いその指示に従う
B 捜索救助隊の支援
(車による隊員の搬送、在阪対策本部との連絡、食糧、装備、会計、宿泊先手配)
(4)捜索救助隊
@ 役割分担(L/SL、記録、無線、携帯、装備、救急用具、運転など)をする
A 二重遭難、救助隊員の事故は絶対起こさない事を確認して行動する
B 遭難事故者の安全確保、早期収容を第一に考えて行動する
C 逐次、現地在阪対策本部と連絡を取りながら冷静に判断し行動する
D 遭難事故者が下山または救助搬送された後、救助隊は帰阪し解散する
(5)在阪対策本部の解散
上記のことが全て終了した時点で在阪対策本部を解散する