8/22(水)鳥になる・・・

 

6時半頃、起床。最終日の今日は各自別行動で買い物デー。

私は列車から度々見えたパラグライダーが気になる・・・。

涼さんがアパートにあったパンフレットの中から、パラグライダー体験コースを探してくれる。

せっかくだからやってみっか!と盛り上がるが、今日は朝からモクモク雲が出て、雨が降ったり止んだりの不安定な天気。

 

 

 

ひとまず8時頃、昨晩書いた絵葉書を出しに、私は郵便局へ。

雨はすっかり止み、いつものお日様が勢いを取り戻し、暑さがぶり返す。

 

そんな中、お土産求めて、メインストリートを行ったり来たり。

今日も夕方は雷雨かな、となるとパラグライダーも出来ないよな、などど若干面倒になりかけて、ひとまず土産探しに精を出す。

 

涼さんはコインランドリーで洗濯中らしいが、お互い、行くところは結局このメインストリートなので、何度もすれ違う。

そうこうしているうちに昼も近付き、腹も減ってきたので、昼食用にパスタとパン屋&ケーキ屋みたいなところでリュバーブのタルトを買い、一旦アパートに帰る。

 

昼間からビールを飲みながらテラスで昼食。

そして目の前に広がるのはアイガー北壁!!でも、これも明日でお別れか・・・。

考えると悲しくなるので、すかさずタルトを食べて気を紛らわす。

そのうち、涼さんも帰宅。

 

外を眺めていると、天気も大丈夫そうな気がしてきた。

やっぱり、最後に空から山を見るのもいいなーと思い、14時に日本語観光協会が開くのに合わせて、もう一度町に繰り出す。

「パラグライダーがやりたい」と告げると、16時半からなら出来ると言うこと。おー、グッドタイミングだー!

 

価格は20分でCHF170。キャッシュで支払いとのこと。

時間もあるし、両替しなくてはならないので、日本円を取りにまたアパートに戻る。

途中、涼さんにすれ違い、18時くらいには戻ることを告げる。

 

両替所は日本語観光協会と同じ建物にあるが、何だか使えなかったので、近くの銀行へ。

まだ開いてる時間で良かった。レートも少し良かったみたい。

軍資金を手に、メインストリートをしばらく行った左手に「フィルスト」行きロープウェイの駅へ。

ここで、一緒に飛んでくれるインストラクターと待ち合わせ。

 

16時半過ぎに、昭英似の先生が登場。

ここからフィルストまでロープウェイで上がり、20分くらい飛んで、グリンデルワルトのこの駅の裏手に戻ってくる仕組み。

 

ということで、フィルストまでの片道切符を買う(この日のレートで¥1348、スイスパスの割引利用)。

フィルストまでは約25分。

 

先生と二人きりで話が持たないので、「スイスには山登りに来たんだ、マッターホルンには登れなかったんだ、でもメンヒとユングフラウに登ったんだ、ガイドは付けずに友達と二人で登ったんだ」と、聞かれもしないのに話しまくる。

「スイスがこんなに暑いとは思わなんだ。異常気象か?」と聞くと、7・8月はこんなもんらしい。

「パラグライダーが離陸するには、ダッシュしなくちゃいけないんか?」と聞くと、今日はベストコンディションだから、その必要はないとのこと。

 

昨日のような雷雨を心配していたが、天気もグー、気流も最高だということで、安心する。

そんな話をしながら、ロープウェイはフィルストに到着。

冬はスキー場、夏はハイキングやマウンテンバイクでにぎわうらしい。

 

 

 

ロープウェイから数分歩いた丘で長袖を羽織り、ヘルメット・ハーネスを装着。

ハーネスには腰掛的なものがついている。手荷物は先生のザックに入れてもらう。

先生は手際よくパラシュートを広げ、お互いのハーネスを連結し、あっという間に準備完了。

Are you readyか?」「I'm readyだ!」ということで、早速、離陸体制。

 

 

 

とととっと23歩歩いたら、ふわっと体が浮いて、気付けば空の中!

すげー、なんだこの感覚は!こんな簡単に飛べるんか!!(実際は先生が後ろでうまく操作してくれてるんでしょう。)

今日は条件がいいってことで、山肌ギリギリまで急降下してみたり、旋回したりしてくれる。

 

いつも山は下から見るか、登り始めて至近距離で見るしかなかったので、とっても新鮮な風景が広がる。

足の下は何にもないし、風を感じるし、月並みなのであまり言いたくないが「まさに鳥になった気分(現に、鳥が私の下を飛んでいた)」!!

アイガーも遠くの雪山もよく見える。優雅な気持ちで遊覧飛行を楽しむ。

 

そんな中でも「スイスのビールの安さには驚いた。」「スイスはアルコホリックのための国だ!」と、どうでもいい会話を繰り広げる。

最後はわざと急旋回しながら、最初待ち合わせた麓のロープウェイ駅裏手に着陸。

着陸時もとととっと数歩歩いただけで、何の衝撃もなかった。

 

 

 

 

せっかくなので、パラシュートが入ったザックを背負わせてもらう。20 kgくらいとのこと。

お客用のギアがなければ9 kgぐらいになるらしく、「山登って、パラグライダーで降りてくればいい、君にピッタリだ!」と勧められる。(・・・うーん、考えておきます・・・。)

フライト代を支払い、先生に別れを告げ、一人興奮気味でアパートに戻る。

途中、楽しすぎてまたビールを買う。

 

アパートに戻り、涼さんとスイスでの最初で最後の外食(小屋食は除いて)。

アパートの裏手にあるHotel Glacierのレストランがアイガー北壁の眺めもよく(うちのアパートもいいですが)、スイス料理が食べられるということで、「るるぶ」にもちょうど載っていたので、そこへ行く。

ホテルの前に日本語、英語、ドイツ語のメニューがあるが、必ずしも対応していないので混乱する。

二人して、あーでもないこーでもない言いながら、大騒ぎ。

 

日頃、なかなか注文を決められない私だが、「ズーリッヒ風子牛の煮込み、ロシティ付き、CHF33」というのに、どんなものだが良く分からないが、固く気持ちを決める。

一方、いつも決断の早い涼さんは迷いまくるものの、結局「Horse stake」に落ち着く。

 

 

 

席はもちろんアイガーの見えるテラス席を希望。

風向きによって、家畜のフの香ばしい香りがどことなく漂うが、いいのだ!アイガーを見るのだ!

ということで、ビールとワインで乾杯。

 

それぞれ一杯飲み終えた辺りで、料理が登場。

私の「ズーリッヒ風うんちゃら・・・」は肉の細切り肉が入ったマイルドなハッシュドソースのようなものにロシティが添えられていた。

ロシティとはドイツの定番付け合せで、ポテトの千切りをこんがり焼いた、いわゆる「ハッシュドポテト」のようなもの(これは「るるぶ」で勉強して知ってた)。

普通に美味しかった。

 

一方涼さんは、メニューの通り、馬のステーキ。

これに色々なソースが添えられていた。

お互いの料理を味見しあったりなんかして、料理を堪能、景色も堪能、「帰りたくない」という思いが募る・・・。

 

食べ終わった頃にちょうど、昨晩同様雷雨が。

といっても、我がアパートはこのレストランのテラス直下に見える、目と鼻の先。

小走りで部屋に帰る。

風呂上りに、さっき買ったビールでも飲もうかと思っていたが、腹もいっぱいで飲まずに寝る・・・。

 

 

 

8/23(木)さようならスイス・・・

 

いよいよ帰国の日。

21:30Zurich発の飛行機なので、ゆっくり荷造りして12時頃に出る予定。

いつも通り、6時半頃目が覚める。

涼さんはまだお腹に「馬」が居るらしく、食欲ない模様。

私は、余った食材を食べつくすべく、朝からサラダと生ハムでビールまで飲む。

 

そしていよいよ荷造り。

ツェルマットからグリンデルワルドに移動する際は、はみ出気味だったので、心配だったが、案外、キュッと入った!

預け荷物制限20 kgをクリアできるかは別にして、ひとまず、ザックに収まりそうなことに安堵し、残していたミルフィーユとタルトを食べる。

さらにヨーグルトも食べる。そして、お昼用にサンドイッチまで作る。

 

涼さんが最後の買い物に出かけている間、Eggerさんが様子見に訪れ、感謝と別れを告げる。

MTVを見ながら、ウダウダしているうちに12時が近付いた。

駅まではずーっと登りで大荷物では大変なので、アパート前から駅までバスに乗る(Eggerさんがタダ券くれた)。

そして12:17グリンデルワルド発の列車で帰途・・・。

さようなら、スイスの山々。また絶対来るからね〜。

 

 

こんなときに限って、電車も遅れず、15時半頃Zurich空港着。

が、代わりに飛行機が遅れていた・・・。

チェックインは18:15からということで、軽く3時間はある。

 

チェックインカウンター近くのその名も「Bye bye bar」で、暇をつぶすことにする。

暇つぶしといえば、そりゃ、決まってます。酒を飲むんです。

「二人でワインボトルでも空けるか〜」という涼さんの冗談に、「そうしましょう」と冷静に答える私。

が、幸か不幸かここにはボトルは無かった。

それでも、涼さんにボトルはないのかと聞いてもらうが、やっぱり無かった・・・。

 

というわけで、ビールを飲むことにする。

店員のおじさんに「時間がありまくるねん。酒飲むねん。」と絡む。

余りに暇なので、しりとりを始める。

 

ビール二杯飲んだところで、おじさんがアプリコットのタルトをサービスしてくれた。

調子に乗って食べるが、結構なボリュームでワインは止めてコーヒーにチェンジ。

一方、しりとりは果てしなく続き、いよいよ飽きてきたし、そろそろチェックインかな、というところで、私のまさかの自信満々「リッフェルホルン!」で幕を閉じた・・・。

 

チェックインでは無事20kg制限をパス。

飛行機は結局1時間遅れの22:35発ということで、さらに待つ。

いよいよ乗り込んだ飛行機。

帰りはウィーンには止まらず、韓国直行。くだらないラブコメディ映画とゲームで過ごす。

10時間のフライト、日付は変わって、8/24(金)15:00韓国インチョン空港着。

 

ようやくここまで来たが、またここで4時間待ち・・・。

ということで、やっぱり飲む。ウォンは持ってないけど、カードがあるねん。

ただしビール1杯だけにし、あとは椅子をぶん捕り、横になってうたた寝(竹島問題がこんなに大騒ぎになっているとは露知らず・・・)。

そして約1時間半のフライトを経て、21時頃、蒸し暑い関空に無事戻ったのでありました。

 

文章/小林

 

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